プルーフポイント、人にフォーカスした新メールセキュリティ対策

日本プルーフポイントは2018年7月25日、「人」にフォーカスした新製品「Phishing Simulation and Security Awareness」を提供すると発表した。

これは、プルーフポイントが従来から提供する、不審なメールのブロックやフィルタリングなどのメールセキュリティソリューションに、今年3月に買収したWombat Security Technologiesのフィッシングシミュレーションとトレーニングを組み合わせたもの。

新製品提供の背景には、近年のサイバー攻撃の傾向として、フィッシング、ビジネスメール詐欺など「人」の脆弱性を突く攻撃が増えていることがあるという。代表執行役社長のフェゼック・ローン氏は現状を次のように分析している。「マルウェアの攻撃は増加し、ソーシャルエンジニアリングはより巧妙になっている。状況は確実に悪くなっており、URL誘導型の脅威が増している。ビジネスメール詐欺は日本においても熱いトピックだ。昨年は日本航空(JAL)もビジネスメール詐欺に遭い、約3億8000万円をだまし取られた」。

ところが、企業のセキュリティ対策は最新の攻撃に対応できているとは言えない。ガートナーのITセキュリティの投資に関する市場調査では、ネットワークを保護するための機器への投資額が61%で最も多かった。それに対して、情報漏洩の90%以上を占める「人」を標的にしたメール攻撃に対抗するためのセキュアメール・ゲートウェイへの投資額はわずか7%にとどまっている。

米プルーフポイント サイバー戦略担当ディレクターのアデニケ・コスグローブ氏は、「サイバー犯罪者はネットワークの脆弱性よりも、個人を狙っている。現状、サイバー犯罪者の行動と、企業のセキュリティ担当者の対策にはズレがある」と指摘した。

攻撃側と防御側の着目点にはズレが生じている
攻撃側と防御側の着目点にはズレが生じている



フィッシングシミュレーションで従業員をテスト新製品のPhishing Simulation and Security Awarenessは、基本機能の「ThreatSim」により、プルーフポイントが収集している実際に行われたフィッシング詐欺のメールを参考に、テストメールを従業員に対して送る。メール内のリンクをクリックする、添付ファイルを開くといった不適切な行動をとった従業員には、本人の過去のテスト成績とアクセス権限の広さに応じて、5分から10分ほどのボリュームで作成されたWebページ上のトレーニングが案内される仕組みだ。

実際に導入したスコットランド王立銀行では、1年間のシミュレーションとトレーニングの結果、従業員が不審なリンクをクリックするといった行為が78%減ったという。

ユーザー企業へ実際に届いたメールを、細部だけ変えて従業員にテストすることもある
ユーザー企業へ実際に届いたメールを、細部だけ変えて従業員にテストすることもある

「サイバー犯罪者が人の脆弱性を悪用する新しい方法を模索し続ける中、企業は最新の攻撃を認識するために必要なスキルを従業員に教育し、測定可能なセキュリティ意識啓発トレーニングを実装する必要がある」とコスグローブ氏は語った。

プルーフポイント
(左から)日本プルーフポイント 代表執行役社長のフェゼック・ローン氏、
米プルーフポイント サイバーセキュリティ戦略担当ディレクターのアデニケ・コスグローブ氏

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