コナカが12年前に構築した拠点間網、“壊れないルーター”で安定稼動

紳士服チェーンのコナカが本社と店舗をつなぐ情報通信ネットワークを構築したのは2006年のこと。以来、大きなトラブルもなく稼動し続けている。その要因の1つに挙げられるのが頑丈なVoIPルーターだ。

大手紳士服専門チェーンのコナカ。全国の店舗がつながる現在のネットワーク基盤を構築したのは実に12年前、2006年までさかのぼる。それ以来、大きなトラブルもなく、同社の事業を静かに支え続けてきた。

ネットワークの更改を検討し始めた当初、コナカの情報システム部は既存の情報系ネットワークだけの刷新を考えたが、それだけでは費用対効果が小さく、経営層の了解を得られずにいた。そこでNTT東日本 神奈川事業部に相談したところ、浮上したのがVoIPによる内線電話網の構築だった。それまで外線で行っていた拠点間通話をVoIPで内線化。情報系ネットワークに統合することにより、シンプルなネットワーク構成で、通信コストを大幅に削減できることを知った。

安定稼動し続けるVoIPルーター当時、コナカは約300店舗を運営し、このうち約270店舗は東日本エリアに立地していた。その東日本エリアの店舗と本社を結ぶネットワークには、NTT東日本の「フレッツ・VPNゲート」を採用した。フレッツ光ネクストをアクセス回線に用いるリーズナブルなセンタ-エンド型のVPNサービスだ。センタ拠点となる本社側には、NTT東日本の広域イーサネット「ビジネスイーサワイド」を選択している。

一方、西日本エリアについては、その頃は店舗数が30ほどと多くはなかったこともあり、センタ側もアクセス回線にフレッツ光を用いる構成を選んだ。具体的には「フレッツ・VPNワイド」とそのオプションの東西接続サービスを利用し、東日本エリアの本社と接続している。

図表 コナカのネットワーク構成図[画像をクリックで拡大]
図表 コナカのネットワーク構成図

VoIPルーターについては、ヤマハ製品を採用した。当時、トンネリング機能を標準搭載するVoIPルーターをラインナップするベンダーは、ヤマハだけだったからだ。本社には「RTV700」、店舗には「RT58i」を導入し、店舗側はその後、同じヤマハの「NVR500」にリプレースしている。

本社にはヤマハの電話帳サーバー「RTV01」も設置した。これにより、内線電話番号の一括管理が可能となり、通話コストだけでなく管理コストも削減できた。RTV01は近いうちに後継機である「YSL-V810」に置き換えられる予定だという。

本社の遠隔監視サーバーには、システムインテグレーターのSCSKが提供するソフトウェア「RT-Master Pro」がインストールされている。同ソフトは、遠隔から複数拠点のヤマハ製ルーターへのコンフィグの送信や取得、ファームウェアのバージョンアップ、監視が行えるもので、コナカの情報システム部はこれを利用してVoIPルーターのリモート保守を行っている。

なお、各店舗にはクレジットカード決済のためCAT端末を設置している。そのため、セキュリティを第一に考え、店舗のPCからはインターネット接続ができないようにしている。

2005年に検討が始まったネットワークの刷新は、およそ1年を掛けて2006年に完了した。その結果、通信コストと管理コストの削減、ネットワーク構成のシンプル化などの効果を得ることができた。

そして、そのネットワークは、利用する回線網のバージョンアップを行い現在まで安定稼働し続けている。その要因は複数あるが、コナカ 管理本部 情報システム部 部長代理の湖中龍介氏はVoIPルーターが頑丈で壊れないことを最初に挙げ、「水没でもしない限り、ずっと動き続けるのではないでしょうか」と笑ってみせる。

コナカ 管理本部 情報システム部 部長代理 湖中龍介氏
コナカ 管理本部 情報システム部 部長代理 湖中龍介氏

月刊テレコミュニケーション2018年6月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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