IoT通信モジュールのTelitが事業戦略「全製品にeSIM搭載へ」

IoT通信モジュールで高いシェアを持つ英Telit Wireless Solutionsが日本での事業展開に力を入れている。2019年度には、アジア・太平洋地区において、日本が売上トップになる見込みだ。また、「今後12カ月で出荷するすべての製品にeSIMを搭載する」という。

「日本での売上高は、アジア・パシフィック地区でナンバー2の位置にまで来ている。新たなプロジェクトが加わることで、来年はトップになるだろう」

IoTソリューションベンダーの英Telit Wireless Solutionsは2018年6月19日、都内でプレスブリーフィングを開催した。その冒頭で挨拶したAPACプレジデントのデリック・ツァン氏は、このように日本でのビジネスの好調ぶりをアピールした。

Telitが日本に進出したのは6年前で、2015年に日本法人を設立している。ツァン氏は「日本のお客様と国内外で様々なプロジェクトが進行しており、4~5年程度で数百万デバイス規模の展開が見込めるのではないか」とした上で、「売上に対する貢献度が非常に高いだけでなく、Telitの戦略的な方向性を支えてくれる重要なマーケットだ」と日本市場を評した。

Telit Wireless Solutions
(左から)Telit Wireless Solutions CEOのヨシ・ファイット氏、APACプレジデントのデリック・ツァン氏、Telit Wireless Solutions Japan カントリーディレクターの佐藤修氏

続いてプレゼンテーションを行った英国本社CEOのヨシ・ファイット氏は、Telitのソリューションを(1)4G/3G/2G、GPS & GNSS(位置情報)、LPWA、Wi-Fi & Bluetooth、テレメトリングなどのIoTデバイス、(2)同社が世界展開するIoT向けのMVNOサービス、(3)IoTプラットフォームの3つに分けて説明。「最先端のIoT技術を駆使して、企業にデジタルトランスフォーメーションの歩みを進めてもらえるようにすることがTelitの理念だ」と述べた。

Telitの2018年の売上は4億ドルに達する見込みで、顧客数は7000社にのぼる。「我々がビジネスを展開しているマーケットはようやく立ち上がり始めたところ。これから大きく成長していく」とファイット氏は強調した。

また、同氏はeSIM対応について、「今後12カ月で出荷するすべての製品にeSIMを搭載する」と明かした。「デバイスを耐久寿命全体にわたってフレキシブルに使ってもらうためには、eSIMは必須で基本的なソリューションだ」からだという。

バンド39対応の「LN940A9」はsXGPにも対応日本法人でカントリーディレクターを務める佐藤修氏は、主力となるセルラーIoTモジュールのラインナップについて説明した。NB-IoT、Cat.M1といったローカテゴリ製品から、1Gbps超の高速通信が可能なハイカテゴリ製品(Cat.18)まで幅広いラインナップを揃えている点が特徴の1つだという。

さらに、同社の製品はモジュール上でユーザーのアプリケーションを実行できる機能(AppZone)をサポートしており、「マイコンを別途用意しなくてもセンサーの制御などが行える点も大きな特徴になっている」と述べた。

日本では、Cat.1対応の「LE910-JN1」がNTTドコモの認定を受けている。また、Cat.M1、NB-IoTに対応する「ME910C1-J1」は、藤沢市のスマートシティプロジェクト「Fujisawa サステイナブル・スマートタウン」でのドコモの宅配ボックス向けサービスアプリケーションの検証に用いられている。

ハイカテゴリ製品では、600Mbps対応の「LN940A9」が昨年から今年にかけてドコモ、ソフトバンク、KDDIの認証を受けた。佐藤氏は「LN940A9はバンド39をサポートしており、sXGPのアプリケーションにも活用できる」と説明した。

Telitは、SIerや機器ベンダー、サービス提供事業者などを主な顧客としており、「通信事業者とはIoTビジネスを共同で進めるパートナー的な関係になる」(佐藤氏)という。国内では「VAIOのノートPCの内蔵モジュールにも採用されている」とのことだ。

TelitのセルラーIoTモジュールのラインナップ
TelitのセルラーIoTモジュールのラインナップ

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