ノキア ハリントン社長「5Gだけが“次世代”ではない。エンタープライズ参入で拡大戦略」

5Gの商用化に向けて盛り上がる通信業界。ノキア日本法人のジョン・ハリントン社長も「5Gは新しい産業であり、新しいマーケット」と期待を膨らませる。ただし、同社の目の前に広がるチャンスは、5Gだけではないようだ。通信事業者向け市場のみならず、運輸・エネルギー・公共を中心に、エンタープライズ市場にも攻勢をかけ、成長を目指す戦略だ。

――今年1月に日本法人の社長に就任されましたが、来日前はノキアの米国法人でAT&T向けワイヤレス事業の責任者を務められていたそうですね。

ハリントン AT&Tは旧アルカテル・ルーセント時代からの大手顧客でして、ノキアとの統合前から私はAT&T担当の営業部門を率いていました。ですので、RAN(Radio Access Network)から固定系のIP/光サービスまで、非常に広いテクノロジーについて私は理解しています。

日本と米国の通信事業者は似ています。5Gなどの先端テクノロジーに積極的ですし、ともに成熟したマーケットで、新しいバーティカル(業種特化市場)に向けてビジネスを拡大していこうと取り組んでいます。

ジョン・ハリントン氏

――5Gについては、5Gの無線方式である「5G NR」の策定も完了し、商用サービス開始に向けた動きがいよいよ本格化してきました。

ハリントン バルセロナで2月26日から3月1日まで開催された「Mobile World Congress 2018」(MWC)に参加しましたが、VRやロボットを組み合わせたユースケースなど、5Gに関する様々な展示が行われ、大変ワクワクするMWCでした。

これまでの5Gの実証実験は、プレスタンダードで実施されていました。しかし、5G NRが策定されたことで、3GPP標準に則った5Gの姿が今年初めて見えてきます。ノキアも2018年、5G NRベースのソリューションをベライゾンやNTTドコモなどの顧客に対して提供します。

MWCでは、AT&T、ベライゾン、スプリント、Tモバイルと米国の通信事業者が5Gの実装プランを出し始めたことに強い印象を受けました。日中韓の通信事業者も積極的であり、やはりこの4カ国が5Gをリードしていくと考えています。

月刊テレコミュニケーション2018年4月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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ジョン・ハリントン(John Harrington)氏

1969年イギリス生まれ。モトローラでGSM/CDMAの導入に携わるシステムエンジニアとして通信業界における経歴をスタートさせ、2001年~2013年までイギリスと米国のアルカテル・ルーセントで経営および営業部門の要職を歴任。2013年~2017年の4年間は、ノキア最大の顧客の1社であるAT&T Wireless担当バイスプレジデントを務めた。2018年1月にノキアソリューションズ&ネットワークス株式会社の代表取締役社長に就任し、日本の全ネットワーク事業を統括する

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