NECは2018年3月23日、KDDIの個人向けFTTHサービス「auひかり ホーム10ギガ」のアクセスシステムとして「10G-EPON」システムを提供したと発表した。
auひかり ホーム10ギガは同年3月1日から受付を開始した、通信速度上り/下り最大10Gbpsの高速インターネット接続サービスだ。日本国内で提供されている個人向けFTTHの通信速度はこれまで最大1Gbpsが主流だったが、同サービスの登場によって“速度競争”が再び加熱しそうだ。
今回、NECが提供した10G-EPONとは、現在主流の“1Gbps級”サービスに使われている「GE-PON」の後継となる標準規格。標準化の策定は2009年に完了していたが、GE-PONを採用するNTT東日本/西日本の「フレッツ光」も含めて、これまで10G-EPONを採用したサービスは提供されていなかった。
だが、昨今はインターネット動画配信サービスの普及やコンテンツの高精細化、Wi-Fiオフロードによるトラフィック量の増加などによってFTTHサービスの高速・大容量化ニーズが高まっていた。10G-EPONの採用で通信速度/容量が大幅に引き上げられることで、インターネット上で提供されるサービスのさらなる高度化も期待される。
NECが提供した10G-EPONシステムは、通信事業者の局舎に設置するOLT(Optical Line Terminal)と加入者宅内に設置するONU(Optical Network Unit)で構成される。
NECの10G-EPONシステムを構成するOLT(左)とONU
同社によれば、OLTは19インチラック4Uサイズでありながら、最大8,192台のONUを収容可能な小型・高密度実装を実現しており、局舎での設置スペースの効率化に貢献するという。また、ONUについても、NECの従来製品比で体積を約65%小型化。加入者宅内での設置スペースや通信事業者の保管スペースも削減できる。