<特集>これから2020年までに起こること【NW未来予想図01】無線LANは11axが主流に。光並み20ギガWi-Fiも

2020年の無線LANは、高密度環境でも速度が落ちにくい次世代規格「11ax」が主流になる。一方、60GHz帯を用いる新規格「11ay」の標準化も進展。実効速度20Gbps超のWi-Fiが実現しているかもしれない。

「2018年8月には11ax対応製品を出す」

現在主流のIEEE802.11acに続く次世代規格「IEEE802.11ax」をサポートする無線LANアクセスポイント(無線AP)の発売についてそう明言するのは、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)傘下のArubaでアジア太平洋地域担当バイスプレジデントを務めるスティーブ・ウッド氏だ。2018年後半から企業でも、いよいよ11axの導入が始まる。

図表 無線LAN規格と速度の変遷
図表 無線LAN規格と速度の変遷

“安全”なのは2018年後半から一部のベンダーからはすでに“11ax対応”を謳う無線APが出始めているが、IEEE802委員会における標準化は2019年に完了する予定だ。つまり、現時点で存在するそれらの製品は、2016年11月に出された“ドラフト版”に対応したものであり、最終的に承認される11ax規格に対応できるかは不確定だ。加えて、11ax対応のPCやスマートフォンがない現状では、企業が導入するのは時期尚早と言える。

ウッド氏が言う「2018年8月」とは、11axの“正式版”への対応が可能なチップセットを搭載し、かつ業界最速でリリースできるとArubaが見込んだタイミングということになる。当然、11ax対応のスマートフォンやPCの登場時期も予測しており、日本ヒューレット・パッカードのAruba事業統括本部エンタープライズ技術部でコンサルティングシステムエンジニアを務める黒川孝治氏は「11ax対応のスマホが出て来るのは2019年。後半にはiPhoneなどの主要なスマホがすべて11axを搭載してくるのではないか」と話す。

したがって、2020年には間違いなく企業の無線LANシステムや公衆Wi-Fiサービスでも11axが主流になる。「2018年度の後半からは他社も続々と11ax対応の無線APを出してくるはず。その段階で新規導入やリプレースを検討するお客様も、あえて11ac対応の古い製品を選ぶことはないだろう」(黒川氏)。かつて、11nから11acへの移行がかなり順調に進んだこともあり、今回の世代交代も支障なく進行すると考えられる。

月刊テレコミュニケーション2018年1月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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