サトーホールディングスは2018年1月29日、名古屋大学医学部附属病院のメディカルITセンターと同社グループのサトーヘルスケアが、IoTサービスモデルの実証研究を2月から共同で実施すると発表した。
医療従事者と患者の双方がIoTデバイスを装着。医療従事者の業務プロセスや患者のバイタル情報を収集・記録・集約し、繁忙時間帯の見える化による適正な人員配置や、異常時対応の迅速化などを通じた医療サービスの向上を目指すという。名大病院は、先進技術の利用により医療サービスの変革を目指す「スマートホスピタル構想」を掲げている。
実証研究で利用するのは、サトーヘルスケアが提供する「高精度屋内位置測位システム」。医療従事者の位置を病室のベッド単位で検出し、今まで見えなかった医療従事者の業務状況や患者とのコミュニケーションを可視化するという。
さらに今後、ホシデン製のバイタルモニタービーコンを取り入れ、患者のバイタル情報をリアルタイムに測定し、医療従事者が患者の状態変化を迅速に把握できるようにしていく予定。
「入院患者さんへのサービスや安全性の向上は重要な課題であり、スマートホスピタル構想の核となる。サトーヘルスケアのソリューションで、新しい入院体験と安心の医療サービスを提供できるよう研究を進めていく。蓄積したデータはAIを活用して分析することで、現場のインシデントの予防につながるシステムを構築したいと考えている」と名大病院 メディカルITセンターの大山慎太郎研究員はコメントしている。