静岡県中部に位置する藤枝市の小学校で、10月16日からLPWA(LoRaWAN)を活用した「小1児童登下校お知らせサービス」の実証実験が始まった。
藤枝市は、ソフトバンクと共同で、市内全域をカバーするLoRaWANのネットワークを整備、8月からIoTサービス事業者などが実証実験を行えるフィールドとして提供している。
登下校お知らせサービスは、このネットワークを用いて藤枝市が自ら実施する実証実験の第1弾。GPS内蔵のトラッカーデバイスを児童に持たせ、保護者がスマートフォンで登下校の状況や位置を把握できるようにする「児童の見守りサービス」だ。
GPSトラッカーに搭載された加速度センサーが、子供が移動していることを感知すると、位置情報をLoRaWAN網経由でクラウドに送信し、保護者はスマートフォンのブラウザで子供の位置を確認できる。緊急時などに児童がデバイスのボタンを押すことで、保護者に現在位置をメールで知らせる機能も提供されている。
GPSトラッカーにはBluetooth Low Energy(BLE)モジュールも搭載されており、BLEゲートウェイが設置された学校の昇降口を通過すると、メールで保護者に通知が届き、「登下校」の状況を把握できる。省電力性に優れるLoRaWANとBLEを用いることで、携帯電話を用いた見守りサービスで課題となる充電の手間を省き、小型化を図った(図表1)。端末とアプリの開発は、ソフトバンクが担当した。
図表1 「登下校お知らせサービス」実証実験
10月16日に利用が始まったのはモデル校となった市立青島小学校だ。1年生のうち、保護者が利用を希望した90名弱(全体の半数)が、GPSトラッカーをランドセルなどに付けて登校している。
藤枝市でLPWA実証実験を担当する
企画創生部 ICT推進室 ICT推進係長の齋藤栄一郎氏(右)と
主任主事の森下達也氏(左)
藤枝市で実証実験を担当するICT推進室の齋藤栄一郎係長は、「実験で市として何ができるかを議論する中で、『児童見守り』のアイデアが出てきた。保護者からは子供の様子が分かるので安心できるなど、概ね良い評価をいただいている」と語る。来年1月からは対象を市内の全小学校17校に拡大、2018年末まで1年間実験を行い、サービス性やネットワークのパフォーマンスなどを検証する。