啓蒙活動する必要がある理由全体的には右肩上がりが見込まれている働き方改革ICT市場ではあるが、IDC Japanの市川和子氏は、次のようにICTベンダーにアドバイスする。「ICTベンダーはまだまだ働き方改革の啓蒙活動をする必要がある」。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの市川 和子氏 |
2016~17年の働き方改革は、物理的な「残業時間の短縮」の実現が最大のテーマだったが、2018年以降はICTを活用した「労働生産性の向上」「柔軟な働き方の実現」へと進んでいく見込みだ。ただし、今後の懸念として、「残業時間の短縮が理想的な姿になったとしても、それが自動的にICT導入に進むかは不安がある」(市川氏)。
従来の「残業時間の短縮」は、例えば100時間の残業が30時間になるといったように数字で成果を把握できたが、ICT活用による「労働生産性の向上」などは成果を数値化するのは難しく、そこにユーザー企業が投資するかどうか定かではない。ICTを活用して、ユーザー企業の生産性向上や柔軟な働き方を実現していくためにも、根気強く働き方改革を訴えていく必要があるという。
また市川氏によれば、業界別では、最もICT活用による働き方改革が進んでいるのは「金融・保険」だ。また、「製造業」も着実に進んでいるという。それに対して、「教育・医療」は遅れているように見えるそうだ。