IIJの法人向けIoT/M2M回線はカメラ利用が最多――農業の水管理はLoRaの双方向通信

ネットワークを起点にIoT市場を攻めているインターネットイニシアティブ(IIJ)は、同社の法人向けMVNO回線の利用用途などの調査結果を発表した。また、農林水産省のプロジェクトで進めている農業IoTのシステムも紹介。水田の水管理を従来比2分の1の価格で実現するソリューション開発を進めているという。

インターネットイニシアティブ(IIJ)は2017年9月、MVNO事業のモバイルサービスの総回線数が200万を突破した。

そのなかでも、法人向けのモバイルサービスについて、「今は法人向けに提供しているSIMの3枚に2枚はIoT/M2M用途だ」とIIJ クラウド本部 副本部長 染谷直氏は説明する。200万回線には、個人向けと法人向けのサービスが含まれているが、同社によれば2014年までは法人向けの半数以上がスマートフォンやPCなどで用いられていたものの、2015年を境にIoT/M2M用途での利用が急増したという。

(左から)IIJ クラウド本部 副本部長 染谷直氏、クラウド本部 クラウドサービス2部 ビッグデータ技術課長 岡田晋介氏

MVNO事業の法人向けモバイル回線は3分の2がIoT/M2M用途

また、カスタマーサーベイを行ったところ、IoT/M2M活用のジャンルとしては監視・マーケティングを目的としたネットワークカメラが最も多かったそうだ。一般的に個人向けのサービスは、スマートフォンでのWeb閲覧や動画再生など下りのトラフィックが多くなる傾向があるのに対して、ネットワークカメラで生成された映像データをインターネット側に送信するため上りのトラフィック量が多くなる特徴がある。

IIJが実施した2017年カスタマーサーベイでは、IoT/M2Mではカメラ利用が最も多かった

IoT案件数は昨年比で倍増回線数ととに、同社に寄せられるIoTの案件数も順調に増加しているという。「案件数では昨年比で倍増しており、数百の案件がある。IRでは確実なところで230件と発表しているが、引き合いはどんどん増えている」と、IIJ クラウド本部 クラウドサービス2部 ビッグデータ技術課長の岡田晋介氏は述べる。

小売店舗向けのネットワークカメラや車載用のモバイル案件が増えているという

ただし、課題もあるという。「技術的な課題はクリアになってきているが、“コレは!”という利活用シーンが出てきていない」(岡田氏)。そうしたこともあり、同社は農業の分野で、自らIoTの取り組みを進めている。

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