KDDI、小さく始められる「SD-WAN」や「CASB」などを12月から提供開始

KDDIは2017年10月24日、法人戦略と新サービスの説明会を開いた。これから顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援すべく、小さく始められる新サービス「KDDI SD-Network Platform」と「KDDI Security Cloud」を提供するという。


「今後作っていく商品は、ミニマム・バイアブル・プロダクト(MVP)で出来るだけ早く提供し、お客様のフィードバックを得てさらに進化していくようなことを短い周期でやっていきたい」

KDDIがこれから法人向けに提供する商品・サービスについて、こう述べるのは同社の藤井彰人氏だ。MVPとはリーンスタートアップの基本となる考え方で、検証に必要な最低限の機能を備えた製品のこと。KDDIは、企業におけるデジタルトランスフォーメーションの実践を支援すべく、動的で変化に強い、進化を続ける基盤サービスをこれから提供していくという。

KDDI ソリューション事業企画本部 副本部長 兼 クラウドサービス企画部 部長の藤井彰人氏(左)と同社 ソリューション事業企画本部 ネットワークサービス企画部 部長 梶川真宏氏

SD-Networkは月額1万円から
そんな進化し続けるサービスとして同社が今回発表したのは、Software Defined(SD)技術を活用するネットワークソリューション「KDDI SD-Network Platform」と、セキュアにクラウドサービスを利用できるようになる「KDDI Security Cloud」だ。

まず、1つめのSD-Network Platformは、専用機器「SD-BOX」を設置することでSD技術によるネットワーク仮想化を導入できるソリューションだ。スモールスタート可能な機能パッケージで構成されており、SD-BOXには「SMALL」「MEDIUM」「LARGE」がある。機能拡張や帯域増強に伴いSMALLからMEDIUM、LARGEへと拡張していくことになる。

SD-BOXは要件に応じて必要な機能を選択・拡張

ハードウェアも変化に合わせてSMALLからMEDIUM、LARGEへ拡張

SD-BOXは1台あたり月額1万円から提供され、その1万円には「ルーティング機能」と「トラフィックの可視化機能」が含まれている。さらに「SD-WAN機能」を追加すれば、アプリケーションごとのトラフィック制御が行えるようになるという。

アプリケーション単位で可視化できる

「既存の固定ネットワークを利用していれば、SD-BOXを設置するだけでSD-Networkを利用できるようになる。SD-BOXは、ゼロタッチプロビジョニングで自動的にネットワーク設定が行われるため、機器が手元に届いたらすぐにでも使える」とKDDIの梶川真宏氏は説明する。既に利用中のVPNサービスやインターネット回線があれば、SD-BOXを設置するとそれらの上にSD-WANをかぶせられる。

SD-BOXはゼロタッチプロビジョニングに対応

同氏は、「今後は、お客様のビジネスを止めないような仕組みを提供していきたい。SD-BOXからお客様のトラフィックを収集し、その傾向を分析・学習すれば、例えば月曜日の朝一はトラフィックが大きくなることが分かる。それをもとに、その時間帯だけ帯域を拡張することが自動的に行えるようになる」と述べる。

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