「パーソナル・テクノロジの分野では数多くのイノベーションが起こっており、多くの企業において個人のパフォーマンスと行動に関連したさまざまなデジタル・イニシアティブが見られる。こうしたイノベーションによって、今後2~3年の間に、パーソナル・テクノロジはデジタル・ビジネスを推進しサポートする上で非常に大きな役割を果たすようになるだろう」
ガートナーのリサーチ ディレクターであるアネット・ジャンプ氏はこう述べている。
ガートナーの言うパーソナル・テクノロジとは、「オンラインで24時間つながっていることで、モノや人との双方向のやりとり・出来事・行動が次々と発生する時代において、包括的なデジタル・ライフスタイルを実現するパーソナルなデバイスやアプリケーション、サービスに直接関わるテクノロジ」のことだ。
では今、注目すべきパーソナル・テクノロジは何なのか。ガートナー ジャパンは2017年8月24日、デジタル・ビジネスをサポートするパーソナル・テクノロジのトップ10を発表した。以下がそのリストだ。
1. 機械学習 (ML)/人工知能 (AI)
2. 仮想パーソナル・アシスタント(VPA)
3. イマーシブ・テクノロジ(拡張現実 [AR]/仮想現実 [VR])
4. 3Dプリンティング
5. 位置センサ/追跡(モノと人)
6. 3Dカメラ
7. 生体認証
8. ウェアラブル・デバイス
9. チャットボット
10. ワイヤレス給電
例えば、「仮想パーソナル・アシスタント(VPA)」については、こう解説している。
「Apple SiriやAmazon Alexa、Microsoft Cortanaなど、VPAの認知度は引き続き高まっており、ガートナーが2016年に実施したモバイル・アプリ調査では、回答者の35%が過去3カ月以内にスマートフォンでVPAを利用したと回答している。Microsoft Cortanaなど一部のVPAはビジネスの世界へと広がりつつあり、他のプロバイダーもエンタプライズ特化型のVPAを作成している。ビジネスでは、即時レスポンスや、業務の生産性を高めたりクライアントとのコミュニケーションを向上させたりする情報へのアクセスといった機会がある。ただし、VPAには非常に現実的な技術面・セキュリティ面の懸念があるため、企業は細心の注意をもって進んでいくべきだ」
また、「位置センサ/追跡(モノと人)」に関しては、「モノや人の位置を追跡することが可能となり、デジタルなオブジェクトを現実世界にひも付けるビジネス・アプリケーションが登場」しているとしたうえで、「位置認識型の自動車保険から病院におけるリアルタイムでの医療機器の利用状況・位置確認まで、これらのテクノロジは多様なビジネスの機会を提供」すると説明している。