IDC Japanは2017年8月7日、国内SD-WAN市場予測を発表した。
これによると、2016年の国内SD-WAN市場規模は約4億3000万円だった。海外拠点を多く持ち、先進技術な採用に積極的なアーリーアダプター層がSD-WANに関心を示し始めている。多くの案件はPoC段階だが、本番環境として採用する企業も出始めているという。
現在はまだ揺籃期のSD-WAN市場だが、今後急速に拡大していく。2016年~2021年の年間平均成長率は159.0%の見込みで、20121年の国内SD-WAN市場規模は504億4000万円になると予測している。
ビジネスの変化にWANを迅速に対応させることへのニーズの高まりや、WANに接続される機器/クラウドサービスの増加によるIT部門の負担増加が、市場拡大の促進要因になるという。一方、阻害要因としては、SD-WANソリューションが相対的に高価であることなどが挙げられるとのこと。
国内SD-WAN市場 ユーザー支出額予測
IDC Japan シニアマーケットアナリストの小野陽子氏は、「企業の変化のスピードは速くなっている。また多様な機器がネットワークにつながるIoT(Internet of Things)を含め、デジタルトランスフォーメンション(DX)への取り組みが加速している。このような速い変化に、従来型の静的なWANの運用管理は対応できず、IT部門のネットワーク運用管理負担は増加しつつある。企業は、SD-WANという新しいネットワーク運用管理のパラダイムの導入が、こうした変化への対応を可能にする鍵であることを理解すべきである」と分析している。