「発信」「気づき」「つながり」で組織の壁を打ち破る《1-1》 「ソーシャルテクノロジー」とは何か――NTTデータ流ソーシャルテクノロジー

「Twitter」や「SNS」に代表されるソーシャルテクノロジーが、企業でも使われ始めた。厳しい経営環境を乗り切るために、組織へ組み込み、コミュニケーションの活性化に役立てようとする企業も現れている。本連載では、2009年のダボス会議で「持続可能な100社」に選ばれたNTTデータの取り組みを中心に、ソーシャルテクノロジーのメリットから活用のポイントを分かりやすく紹介する。

1.1.6 テクノロジー4 「写真・動画共有サイト」

デジタルカメラやデジタルビデオの普及により、誰もが簡単に写真や動画などの“リッチ”なデジタルコンテンツを作成できるようになり、さらにブロードバンド環境の広がりによって、Webでリッチコンテンツが簡単に扱えるようになりました。このような状況の下、2004年頃から登場してきたのが、「Flickr」や「YouTube」のような写真・動画共有サイトです。これらのサイトは、大まかに以下の機能から構成されています。

メディア投稿機能
基本となるのは、写真・動画をWebサイトにアップロード(投稿)する機能です。当初はWebブラウザからしか投稿できませんでしたが、最近ではカメラ付き携帯電話からもできるようになり、写真・動画共有が進んでいます。

コメント・評価機能
他のユーザーからコメントや評価点が付けられたり、閲覧回数も表示されるため、ユーザーは投稿した作品の反響を知ることができ、作品を投稿するインセンティブとなります。また見る側からすると、膨大な作品の中から人気・評価の高い作品や作者を見つけやすく、利用する楽しみが増えます。

埋め込み機能
YouTubeなど動画共有サイトでは投稿者が許諾した場合、作品ごとに“埋め込みコード”が発行されます。これを自分のブログ記事にコピーすれば、その動画へのリンク(プレーヤ画面)が記事に埋め込まれ、記事上で直接ストリーミング再生できるようになります。ユーザーは自ら動画データを抱えたり難しい設定をすることなく、動画を自分のページに貼り付けられる一方、動画共有サイトはトラフィックを集められるようになっています。

1.1.7 テクノロジー5 「マイクロブログ」

2007年頃にはブログやSNSが一般に広く普及し、インターネット上に縦横無尽の“ヒューマンネットワーク”が構築され、その上で活発にコミュニケーションされるようになっていました。そこへ突如、「Twitter」に代表される「マイクロブログ」(「ミニブログ」と呼ばれる場合もあり)という新しいサービスが登場してきました。マイクロブログは以下のような特徴を持っていました。

短文の投稿機能
マイクロブログは、その接頭詞が示すようにひとつの投稿には短い文章しか書き込めない仕様になっています。Twitterの“140文字制限”は有名です。ただし、その短さがもたらすユルさ、気軽さが多くのユーザーを魅きつけ、“つぶやき”(投稿)の集積とも呼べるようなコミュニケーション世界を創出しています。

ネットワーキング機能(リンク機能)
マイクロブログでもネットワーキング機能(Twitterでは「フォロー」(Follow)と呼ばれる)を使って、他のユーザーとのリンク(つながり)を保てます。これはSNSにおける友達リストのような機能ですが、気になるユーザーの“つぶやき”をリアルタイムにウォッチできるものです。

リアルタイム検索機能
Twitterは140文字制限を設けることで、逆に膨大な“つぶやき”を生み出し、リアルタイムに集約することに成功しました。そのため、Twitterの“つぶやき”を検索すれば、世界中で今現在、話題にされていることを捉え、その流れ(タイムライン)を追えます。これは、他のソーシャルテクノロジーではできなかったことです。そこに目を付けたマイクロソフトとGoogleは相次いでTwitterと提携し、自社の検索サービスにTwitterの“つぶやき”を取り込んでいくことを表明しています(2009年12月時点、マイクロソフトは米国向けでベータ版を公開済み、Googleは試験公開を準備中)。今後は「世界中のつぶやきを検索すると何が分かるか」という観点で、様々な実験や検証が進められていくことでしょう。

(連載目次はこちら

NTTデータ流ソーシャルテクノロジーNTTデータ流 ソーシャルテクノロジー
~「発信」「気づき」「つながり」で組織の壁を打ち破る~

■Nexti運営メンバー有志(著)
■新書版 132ページ
■定価:1,050円(税込)(本体:1,000円)
■ISBN:978-4-89797-843-7

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本連載は、2010年1月にリックテレコムから発行されたソリューションIT新書『NTTデータ流ソーシャルテクノロジー ~「発信」「気づき」「つながり」で組織の壁を打ち破る~』(著者・Nexti運営メンバー有志)を転載したものです。

永安 悟史(ながやす さとし)

アップタイム・テクノロジーズLLC
共同創業者 兼 最高経営責任者

2004年、NTTデータ入社。並列分散データベースシステムの研究開発や導入技術支援、保守サポートの後、データセンターの新規サービスの企画・開発・運用に携わる。Nextiでは主に渉外活動を担当した。2009年、NTTデータを退職。同年、アップタイム・テクノロジーズLLCを創業。オープンソースやオープンイノベーションなど、次世代型のR&Dおよびテクノロジー・マネジメント(MOT)に特に強い関心を持つ。

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