日本独自ニーズに応える「NTT産」のSD-WANが登場、NTTPCが6月に提供開始

中堅中小企業向けに機能を厳選

もう1つ、特筆すべき点は、中堅中小企業向けに機能を絞り込むことで価格を抑えていることだ。SD-WANは非常に多機能なソリューションであり、そのため、エッジ装置の価格と月額利用料が高いことも導入の障害となっていた。そこで、中堅中小企業や、店舗や営業所等を多数展開する企業が必要とする機能を厳選して搭載し、低価格なサービスを実現したという。

今回提供する「Nプラン」の機能とメリットは次の3つだ。

1つが、アプリケーションの可視化・制御機能だ。企業のイントラネット内でどのようなアプリケーションがいつ、どの程度利用されているかを可視化して、業務に不要な通信や最適化が必要な通信などを把握することができる。これを基に、特定のアプリを禁止したり、回線を増強するといった対策を行うことが可能になる。

2つめは「インターネットブレイクアウト」の機能である。クラウドやインターネット向けの通信を、イントラネットを経由せずに拠点から直接インターネットへ迂回させることができる。WANトラフィックの増大に伴って、回線の増強とそのコスト増に悩む企業も増えているが、その課題を解消させることに役立つ。

そして最後に、拠点開設の迅速化にも貢献する。NプランはNTTPCのWebサイトからオンライン申込を行い、4営業日以内で拠点開設が可能だ。IaaSやSaaSを利用する時と同じような感覚で、SD-WANも利用を始めたり、コントロールパネルから設定を変更したりすることができる。


Master’sONE CloudWANのWebサイト。
オンラインでNプランを申し込むと4営業日以内に利用を開始することができる

また、このほかにも順次機能を追加していく予定だ。

前述の「ZTPのPPPoE対応」と同じく、7月にはパブリッククラウドへの接続機能の提供を始める。アマゾンのAWS、NTTコミュニケーションズのEnterprise Cloud、マイクロソフトのMicrosoft Azure等に設置できるソフトウェア型のエッジ装置を提供する。

続いて9月には、専用線やフレッツなど、複数の回線を組み合わせて利用できる「ハイブリッドWAN」機能の追加、セキュリティ機能の強化も予定している。

ハイブリッドWANとは、通信遅延などが発生した場合に、より品質のよい回線に自動的に切り替えたり、アプリケーションごとに優先的に利用する回線を選択することができる機能のことだ。通信品質の劣化を防止し、快適なアプリ利用を実現するのに役立つ。

セキュリティ機能の強化については、エッジ装置にUTM機能をダウンロードして設定するほか、NFV技術を活用したクラウド型セキュリティの提供も予定している。

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