NTTドコモの2016年度決算は増収増益――中期戦略「beyond宣言」を発表

NTTドコモは2017年4月27日、2016年度決算を発表した。

営業収益は前年度比1.3%増の4兆5846億円、営業利益は同20.7%増の9447億円と増収増益だった。
16年度は「シェアパック5」「子育て応援プログラム」「ウルトラパック」などの導入を通じて、ユーザーへの還元を行ってきた。今回の業績にはこれらの還元額として840億円が含まれる。この点を踏まえ、吉澤和弘社長は「継続的なお客様還元強化に取り組んだうえでの増収増益になった」と述べた。

セグメント別では、通信事業の営業収益は3兆7112億円(前年度比214億円増)、営業利益は8328億円(同1239億円増)、スマートライフ事業とその他の事業からなるスマートライフ領域は営業収益が9023億円(同389億円増)、営業利益が1119億円(同378億円増)といずれも増収増益となった。

通信事業とスマートライフ領域は増収増益となった

携帯電話契約数は7488万契約(同6%増)で、解約率は前年度の0.62%から0.59%に改善した。また、総合ARPUは4550円(同290円増)で、内訳は音声ARPUが1220円、データARPUが3330円。データARPUには「パケットくりこし」による影響140円分とドコモ光ARPUの250円が含まれる。

ドコモは決算発表と併せて、2017年度からの新たな中期戦略として「beyond宣言」を発表した。
beyond宣言は、ユーザー向けの3つの宣言と、パートナー向けの3つの宣言の計6つの宣言で構成される。

「beyond宣言」では、5Gを軸に新サービスの創出やビジネスの進化を目指す

ユーザー向けには、2020年に商用サービスを開始する予定の5G(第5世代携帯電話)を軸に、VR(仮想現実)やAI(人工知能)、IoT(Iternet of Things)、FinTech、ドローンなどを活用し、ライフスタイルやワークスタイルを革新するようなサービスの創出を目指す。

また、AIを活用して顧客接点を進化させることで、ドコモショップの待ち時間を短縮する。

このほか、サービスや料金、ポイントをさらに改善することで、「お得・便利が見えるマーケットリーダー」を目指す。その第一弾として、月額980円で家庭内通話が無料になる「シンプルプラン」や月額1万2300円で30GBのデータ量が使える「ウルトラシェアパック30」の新設などにより300億円のユーザー還元を行う。

ユーザー還元の第一弾として、料金プランを新設する

一方、パートナー向けでは、「高速・大容量」「低遅延」「多数の端末との接続」といった5Gの特徴を活かし、社会や産業の発展に貢献する。5月下旬からパートナー企業とともに5Gのトライアルサイトを開始する予定で、5Gの先行事例を作ることを目指したいという。

また、パートナーとの協創による社会課題の解決や地方創生に取り組む。具体的な取り組みとして、テレワークやシェアオフィスなど働き方改革を実現するためのソリューションをパートナーと連携し17年度から順次提供する予定だ。

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