NECは、NTTによる「ネットワークスライシング技術」の実証実験に貢献したと発表した。この実験は、NTTグループの次世代ネットワーク開発コンセプト「NetroSphere(ネトロスフィア)構想」の実現に向けた取り組みだ。
ネットワークスライシング技術とは、ネットワークを仮想的に分割し、サービスの要求に合わせた仮想ネットワークを即座に提供できるようにするもの。この技術を確立することで、サービス事業者は必要なネットワークリソースを必要な期間だけ利用可能になるなど、多様なサービスを低コストで実現できる。
実験で確認した機能は、各端末の通信(トラフィック)状況にもとづき、トラフィックを適切なネットワークに動的に振り分ける機能。NECはその中で、各端末のトラフィックの識別やネットワークへの振り分けを行う「vCPEソリューション」と、端末のトラフィックに応じて振り分けルールを動的に変更する「IoTサービスイネーブラ」を提供したという。
NECのvCPEソリューションは、ルータなどの宅内通信機器が行っていた通信経路選択やネットワークアドレスの変換といった機能をNFV(ネットワーク機能の仮想化)で実現する。これにより、ネットワークの規模や端末数に合わせて機能を柔軟に拡張可能になる。またIoTサービスイネーブラは、3GPPで標準化された移動体通信向けのネットワーク機能とも連携可能で、ネットワークの状況把握や通信帯域の制御などを行う。
NECは将来的に、ネットワークの状況把握と分析に人工知能(AI)を活用していくという。