富士通は2017年2月6日、大規模IoTシステム向けテストベッドの無償提供を開始した。IoTシステム向けアプリケーション開発を行う企業や研究機関などを対象に、今後1年間利用者を募集する。
提供するテストベッドは、昨年11月14日に国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の「IoTテストベッド事業及び地域データセンター事業に係る助成交付対象事業」に採択されたもの。センサーから収集された大量データを効率的に処理できるよう、自動でクラウドとエッジコンピュータに振り分ける「ダイナミックリソースコントローラー」(DRC)機能を搭載した、クラウド型IoTデータ活用基盤サービス「FUJITSU Cloud Service K5 IoT Platform」をベースにしている。
「DRC」のイメージ |
このテストベッドを利用することで、利用者はデータの所在管理や効率的な分散処理を行う仕組みの作り込みが不要となり、大規模IoTシステム向けアプリケーションの開発を迅速に行うことが可能だという。
富士通では、10件程度の企業・団体の利用を見込んでおり、テストベッドの提供から得られる知見を生かし、「K5 IoT Platform」の競争力強化を図る考え。すでに東京大学と北海道大学がこのテストベッドを活用し、大規模IoTシステムの基盤技術開発や実証を行う予定となっている。