製造・物流分野でのIoT活用事例と期待される新サービス次に小原氏は、NTTPCコミュニケーションズの製造・物流分野での取り組み事例を紹介した。
来春サービス提供開始予定の「ドライバー見守りサービス」では、心拍データを取得するリストバンド型のウェアラブルをドライバーに付けてもらう。ウェアラブルによる心拍データとスマホのGPSによる経路情報データを収集スマホ経由でIoTプラットフォームへ送信してデータを収集。作業強度、熱ストレス、消費カロリーなどを分析し見える化した。実験段階ですでに大量のレコードが溜まっており、それを分析することで、小学校付近や、過去に事故を起こしたことがある場所などに来ると、ドライバーの心拍が上がることが確認された。その情報をもとに、事故予防やドライバーの労働環境改善につなげることができる。
「ビッグデータを活用するが、ディープラーニングを行う必要はなく、データの加減乗除を行うだけで必要な情報を得られるのもこのサービスの特長の1つだ」と小原氏は話す。
同じく、来春サービス提供開始予定の「配送先事前お知らせサービス」では、トラックが配送先の物流センターから30分圏内を通過すると、自動的にスマホから配送状況管理システムに位置情報を発信。物流センターではトラック到着の30分前にメールを受信し、到着予定時間を事前に把握することで、荷降ろし準備を計画的に行える。
「トラックのドライバーにとっては、到着後の待機時間を削減できます。それにより、燃料経費の削減や配送件数を増やすことも可能になります」(小原氏)
「NTTPCコミュニケーションズは、IoTをうまく使い、皆さんと一緒に新しいビジネスを創り出すことを希求しています。実験ベースでもかまわないので、一緒に頭を悩ませながら新しい話をしていきたいと考えています」。小原氏は最後にこう話し、演壇を降りた。