IoT無線の主役狙う「Bluetooth 5」――強みは省電力、速度、スマホ連携

今年末から来年初頭にかけて正式リリースとなるBluetooth 5で、Bluetoothが本格的なIoT無線に進化する。その特徴や他のIoT無線システムとの違いを見ていこう。

スマートフォンやノートPCと、マウス/ヘッドセットなどの周辺機器との接続に広く使われている近距離無線技術のBluetoothが、次期バージョン「Bluetooth 5」で本格的なIoT無線システムにグレードアップされる。

Bluetoothは、2010年にリリースされた「Bluetooth 4.0」から、従来仕様(Classic Bluetooth)に加えて大幅に省電力性を高めた新仕様「Bluetooth Low Energy(BLE)」をサポートしている(図表1)。Bluetooth 5では、このBLEの機能を拡張し、IoT通信で本格的にBluetoothを利用できるよう進化させる。

図表1 Bluetoothの進化
図表1 Bluetoothの進化

BLEの大きな特徴の1つは、運用条件によっては、小さなコイン型リチウムイオン電池1個で、通信モジュールを1~2年間動作させることができる高い省電力性能にある。これにより、小型のデバイスにも容易に通信機能を持たせられるようになった。

この他にも、Classic Bluetoothでは必須だった事前の接続認証(ペアリング)なしでも通信が可能。休止状態から6msという短時間で接続できる(Classic Bluetoothでは100ms)などの特徴を持つ。

これらを活かす形で、BLEは活動量計や歩数計などのスポーツ・ヘルスセンサー、スマートウォッチ、自転車用ケイデンス(回転数)センサー、テレビのリモコンなどの分野で普及が進んでいる。Classic Bluetoothに代えてキーボードやマウスに採用されるケースやBLEに対応したスマートフォンをホテル・車のキーの代わりに用いるといった使い方も出てきた。

月刊テレコミュニケーション2016年9月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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