ZTEジャパン索社長「TDD技術の圧倒的な蓄積が強み」

インフラと端末の両市場で、世界4位にまで登りつめてきたZTE(中興通迅)。初の音声端末が発売されるなど日本でも着実に成果が上がっている。次に狙うのは、LTE、WiMAX、XGPなどのBWAインフラだ。

――ZTEの存在感が日本でもだいぶ高まってきました。これまで日本通信、IIJ、ウィルコムにデータ通信端末を供給してきましたが、この夏にいよいよ日本市場では初の音声端末を投入します。

 はい。ソフトバンクモバイルから、かんたんケータイ「840Z」が8月下旬に発売される予定です。中国メーカーということで「本当に使いやすいの?」という声もありました。しかし、当社はグローバルレベルの供給力と共に、各国のお客様のニーズを反映するカスタマイズ力という強みも持っており、実際に840Zを試された方からは「すごく使いやすい」「軽い」と高い評価を頂いています。

また、みまもりカメラ「Z001」と「Z002」もソフトバンクから発売されます。これは、テレビ電話機能を活用し、ペットや家族、オフィスなどを特別な配線や操作を必要とせずに、携帯で簡単に見守れる端末です。発売は9月下旬以降の予定ですが、多くの引き合いを頂いています。

840Z Z001 Z002
ソフトバンクモバイルから発売のかんたんケータイ「840Z」と、みまもりカメラ「Z001」「Z002」(左から)

――今年2月にバルセロナで開かれた展示会「Mobile World Congress」で数機種展示するなど、Androidにも注力していますね。

 すでにイギリス、フランス、ポルトガルで、Android搭載スマートフォンの販売を始めています。日本でもスマートフォンには大変注目が集まっていますので、発売できるように頑張りたいですね。

ZTEジャパンは、有線・無線のキャリアネットワーク事業と端末事業を展開していますが、端末事業についてはデータ通信端末、携帯端末等の発売を通して足がかりを作ることができました。

ですから今後は、サポートも含めてきちんと製品をデリバリーしていくことでお客様からの信頼を高めながら、徐々に端末ラインナップの増加、キャリアネットワーク事業の拡販を行い、事業を拡大していきたいと思っています。

中国3G特需もあって昨年度は30%以上の伸び

――日本では突破口が開いたところですが、グローバルではキャリアネットワークと端末の双方でトップベンダーの地位を確立しています。最近のZTE全体の状況について教えてください。

 2009年度(09年1~12月)の売上高は約600億人民元(約8140億円)でした。世界的に景気が低迷するなかでしたが、中国での3Gサービス開始に伴う特需もあって、前年度と比べて30%以上伸びました。当社はグローバル企業であり、売上は中国国内よりも海外事業の割合が高い状況でしたが、09年度については中国事業が伸び、半々でした。ただ、中国での売上だけではなく、海外でも大きく伸びています。また事業別の売上比率は、キャリアネットワークが67%、端末が23%、サービスが10%となっています。

――中国3Gインフラ市場ではトータルでシェア1位だと聞いていますが、グローバルでのシェアはどうなっていますか。

月刊テレコミュニケーション2010年7月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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索 東輝(スォ・ドンフイ)氏

1970年3月、北京出身。96年3月、立命館大学理工学部電気電子工学科を卒業。98年3月、立命館大学大学院修士課程修了後、同年4月に日本の大手通信機器メーカー入社。2007年9月、ZTE日本代表事務所。08年4月、ZTEジャパン ネットワーク営業担当部長。2010年5月に同社代表取締役社長に就任し現在に至る

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