ドコモのAIは「自然対話」で強みを発揮する

NTTドコモは吉澤新社長の下、人工知能(AI)への取り組みを強化している。なかでも実用化が進んでいる自然対話プラットフォームの提供を通じて、パートナーの拡大を図る。

人工知能(AI)が注目を浴びるなか、通信キャリアもその潜在的可能性の高さに着目し、自社のビジネスに活用しようとしている。

NTTドコモは今年6月、吉澤和弘社長が就任会見の席上、AIへの取り組みに強い意欲を示した。それによると、ドコモが目指しているのは、クラウドAIの活用により24時間365日、人々の生活をサポートする「パーソナルエージェント」の実現だ。

パーソナルエージェントでは、人間の目や耳、口、心に相当する機能をAIが担い、スケジュールや行動、現在地に合わせたルート案内や情報通知、毎日の体調管理といったサービスを提供することをイメージしている。

ドコモは、デジタルコンテンツの利用履歴などユーザーから集まるビッグデータと位置情報などを持っており、これを分析・活用することで、よく行く場所や趣味嗜好、行動パターンなどを推定し次の行動を先読みして適切な情報を通知することが可能だ。また、「AIで人の行動を支援する際のデバイスとしてスマートフォンが使われるだろう」(吉澤社長)というように、自社のアセットを活かしやすい状況にある。

さらに、耳と口の役割を果たす「自然対話プラットフォーム(PF)」や、目の役割を果たす「画像認識エンジン」などAI技術もすでに持っている。

なかでも実用化が進んでいるのが、自然対話PFだ。NTTの要素技術をベースにドコモが商用化したもので、音声エージェントサービス「しゃべってコンシェル」に搭載されたのを出発点とする。

しゃべってコンシェルは2012年3月に提供を開始して以来、ユーザーとのやり取りの回数は14億回以上に上る。その間、大量に集まったデータを処理・反映することで認識精度の向上を図ってきた。現在は、周囲が静かな環境であれば、ほぼ正確に認識できるまでになっている。

加えて、言葉の「ゆらぎ」を吸収して次の動きにつなげられる点も特徴だ。ゆらぎとは、例えばカメラを起動する場合、「カメラを起動したい」という言い方だけでなく、「写真を撮りたい」「画像を写したい」といった表現も同じ意味として捉えられることを意味する。これは自然対話PF上にある意図解釈、文章正規化の処理技術によるもので、他の音声認識技術にはないという。

月刊テレコミュニケーション2016年9月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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