遠隔操作や自動制御により無人で飛行するドローンがここ数年、日本でも話題を集めている。
軍事利用を目的として開発が始まったドローンは、無線技術やセンサー技術の進歩に伴い小型化・高機能化が進み、数万円程度の安価なモデルも登場したことで、日本ではまずコンシューマー向けに浸透した。さらに最近では業務に活用する動きも急速に進んでいる。
ドローンの特徴は、災害現場や高所など、人間が赴くには危険が伴ったり時間がかかる場所にも簡単に行けることだ。そして、ドローンの本体にはカメラや通信機能などを搭載することができ、さまざまな現場情報を収集して遠隔地に送信することができる。これが、ドローンが「空飛ぶIoT(Internet of Things)」とも呼ばれるゆえんだ。
こうしたドローンの特徴に、業務改革の可能性や新たな収益機会を見出す企業は多く、自社の業務に取り入れたり、企業向けのドローン関連サービスの提供を開始する企業が増えている。
調査会社のシード・プランニングは、産業用ドローンの主な用途は現在の農薬散布中心から、今後は整備・点検や測量、災害調査・支援、警備などへ広がると予測している。市場規模も2015年の16億円から18年は84億円、20年には186億円と拡大する見込みだ(図表)。
図表 国内の産業用無人飛行機・ヘリコプターの用途別市場予測(単位:億円) |
では、ドローンはどんな業務に活用でき、どんな課題を解決できるのか。主な取り組みを紹介する。