IDC Japanは2016年4月27日、国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション(UC&C)市場予測を発表した。
これによると、2015年の国内UC&C市場規模は、前年比4.9%増の2394億2500万円だった。2014年から続く企業の音声インフラのリプレース需要が2015年も継続したこと、Eメールやファイル同期/共有のクラウド移行が顕著だったことなどが、好調の要因として挙げられるという。
ただし、IPコンファレンスシステム市場においては、Web会議サービスは好調だったものの、据置型ビデオ会議システムが小型低価格製品にシフトし、成長が鈍化している。
さらに2016年は、UC&C市場全体の成長率も鈍化する。据置型ビデオ会議システムの小型低価格製品へのシフトに加え、企業音声インフラの更新需要も一巡したからだ。IDC Japanでは、2016年の成長率を1.4%と予測している。
2020年に向けては、東京オリンピック/パラリンピックと関連した音声基盤の再構築、インバウンド顧客サポートへの投資などの活発化を背景に、成長率は2016年より上向いていく見通しだ。だが、オリンピック開催後は、一時利用クラウドサービスの解約や先行投資の反動によって、UC&C市場の成長率は鈍化する。IDC Japanでは、2015~2020年の年間平均成長率は2.3%になるとしている。
「国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション市場が今後も成長していくために、ベンダー/システムインテグレーター/通信事業者を含むITサプライヤーは、クラウド上でのUC&C機能の複合提供の推進およびコグニティブシステムとUC&C機能の連携を図るべきである」とIDC Japanの眞鍋敬氏は分析している。
国内UC&C市場 売上額予測 |