これからMVNO市場はどう変わる?(前編)――タスクフォース報告書が意味するもの

携帯電話料金をテーマとする総務省の有識者会議の報告書に、新たなMVNO支援策が盛り込まれた。目玉のHLR/HSS 連携の促進に加え、0円販売の是正という追い風を受けて市場はどう動くのか。

2016年2月1日、全国の携帯電話ショップの店頭から「実質0円」といった表示が一斉に姿を消した。

昨年12月16日に有識者会議(携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース、以下「携帯料金TF」)が取りまとめた報告書を受け、総務省が携帯電話事業者に販売の適正化を要請したからだ。

携帯料金TFは、9月の経済財政諮問会議で「携帯電話の家計の負担軽減は大きな課題だ」と安倍晋三首相が発言したことを受けて設置されたもの。報告書では、長期利用者やライトユーザーにメリットのある料金設定の要請や、行き過ぎた販売奨励金による端末の低価格販売の是正などを提言。携帯電話3社による月額5000円を切る料金プランの導入や「実質0円」の見直しなど、すでに携帯電話市場に大きな変化をもたらしている。

それに加え、報告書にはもう1つ重要な施策が盛り込まれていた。格安SIM・スマホで急速に利用者を拡大しているMVNOの支援策である。

本編では今回打ち出されたMVNO支援策の狙いと直近のMVNO市場の動きを見ていく。

月刊テレコミュニケーション2016年3月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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