NTTは2016年2月16日、トヨタ自動車やPreferred Networks（PFN）と共に、「ぶつからないクルマ」のコンセプトを実動デモンストレーションとして具現化したと発表した。
今回の実動デモンストレーションは、トヨタが考える将来の運転支援のコンセプトを実現したもの。NTTのエッジコンピューティング技術と高信頼無線技術、PFNのディープラーニング技術とその分散処理技術を用いている。
自動車模型を走行させると、各車の周囲環境は時々刻々変化するが、それに対する衝突回避の動きをエッジサーバで稼働する人工知能で学習する。車はサーバから送られた学習結果を用いて、それぞれぶつかることなく自律的に走行する。複数の車の学習状態を共有することで、学習に必要な時間の短縮も実現した。
学習に用いるデータは、複数の無線アクセス方式に分散・冗長化して送信する。それにより、無線アクセスの品質を確保し、高信頼・低遅延を実現しているという。また、ユーザに近いエッジサーバで分析・学習するため、従来のクラウドでは難しかったリアルタイム制御を可能にした。
将来的には、複数の車や路側設備から収集したデータをもとに、いま周辺で何が起きているかといった動的で精密な交通空間情報を作ったり、交通渋滞などの分析・学習・予測をする、あるいは緊急時・災害時に車両の優先度付けを行うなど、より高度な処理をエッジサーバ上で行い、運転支援に必要な情報をリアルタイムに提供できるインフラ技術の確立を目指すという。
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| 高度運転支援向けエッジコンピューティング技術のイメージ図 |
