パナソニック、スマホで高速に読み取れる「光ID技術」を事業化

パナソニックは2015年12月18日、可視光通信を利用した「光ID」の技術セミナーを開催した。その特徴はスマホで高速に光IDを読み取れるということ。スマホを活用したオムニチャネル市場の拡大を好機と捉え、同技術をコアとした情報連携サービスを事業化するという。

光ID事業のビジネススキームは?「こういう技術ができたが、どのように市場にマッチングしていけばいいかと考えたとき、光IDを送信するLED看板やLED照明、LEDバックライトのある液晶ディスプレイは世の中に増えている。さらに、受信するスマホはほとんどの人が持っている。看板やデジタルサイネージとスマホの連携により、奥行きのある情報提供ができるのではないか」(川合氏)

日本の2015年スマホ出荷台数は2000万台で、流通業界を中心にスマホを顧客接点としたマーケティングが拡大している。また、ある調査会社の分析によれば、デジタルサイネージ市場も急成長しており、2015年は2023億円で2018年には4445億円にもなるという。

ビジネススキームの概要

こうした市場の成長を背景に進められるパナソニックの光ID事業には、3つの構成要素とSIがある。

1つめは、光IDを送信するハードウェア。汎用モジュールであるLED光源に、光ID専用の送信モジュールを組み合わせる必要がある。そこでパナソニックは、デジタルサイネージ用に光ID送信機内蔵の液晶ディスプレイ、看板や行先表示板用に内照式・導光式LED看板用光ID送信機を2016年4月から順次発売する。

2つめはスマホ向けアプリ。パナソニックで光ID用の標準アプリを用意しているが、例えば遊園地の施設検索では、パナソニックの光IDアプリを利用するよりもその遊園地のアプリを利用するほうが自然だろう。各企業が提供するアプリでも光IDを受信できるようにし、顧客接点を高度化させる。

3つめはプラットフォームサービスで、クラウドで提供する。このプラットフォームでは、光IDとそれに結びつくURL情報などを登録している。アプリが光IDを受信したら、プラットフォームに問い合わせることでリンク先の情報をネットワーク経由でスマホに表示できる。

最後はハードウェア、アプリ、プラットフォーム全体をソリューションとして提供するためのSIで、システム連携やアプリ開発などが含まれる。

今後パナソニックは事業化に向け、1~4を提供するほか、体験イベントや試行設置の実施をするという。

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