IDC Japanは「IDC FutureScape 世界と国内のIT市場 2016年 Predictions:デジタルトランスフォーメーションの伸展を牽引せよ」の発行にあわせて、12月9日に記者発表会を開催した。説明のため登壇したのは、同社の調査部門を統括するリサーチバイスプレジデントの中村智明氏だ。
デジタルトランスフォーメーションと第3のプラットフォーム冒頭で中村氏は、「今年のテーマは、デジタルトランスフォーメーション(DX)」と述べた。これからはITベンダーもITユーザーもDXを意識しながらビジネスを推し進め、DXの規模を拡大していく必要があるという。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の定義 |
DXとは、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱していた概念で、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」。
この概念をIDCは次のように解釈している。「DXとは、企業が『第3のプラットフォーム』技術を活用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデル、新しい関係を通じて価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」。企業がこれからのビジネスで勝ち残っていくためには、新しい製品、サービス、パートナーシップ、ビジネスモデルなどを創造し、新たな価値を創出していく必要があるという。
DXを実現するための第3のプラットフォーム |
それらの新しいものを創造する基盤となるのは、第3のプラットフォームだ。これはIDCが2007年から提唱してきたもので、「クラウド」「ビッグデータ/アナリティクス」「ソーシャル技術」「モビリティ」で構成される。今後の企業のITは、クライアントサーバーをベースにした従来型の第2のプラットフォームではなく、第3のプラットフォーム上で実現していくべきであり、またその規模は実際に拡大していくと見ている。
第3のプラットフォームをコアとして、さらにその上にイノベーションを後押しするIoT、AIや機械学習などの認知システム、ロボティクス、AR(Augmented Reality、拡張現実)/VR(Virtual Reality、仮想現実)、3Dプリンティングなど、「イノベーションアクセラレーター」の技術がくる。