マイナンバーなどの個人情報をクラウド上で安全に保管NTT東日本のサービスが特に大きな効果を発揮できる領域は、（2）の安全管理措置と（4）の社内研修・勉強会の実施だという。

（2）の安全管理措置（セキュリティ対策）に貢献できるサービスとして、まず松田氏が紹介したのが企業のデータをNTT東日本のクラウド環境に保管・管理できる「フレッツ・あずけ～るPROプラン」（以下、あずけ～るPRO）である。手元にデータを残さないあずけ～るPROを活用することで、個人情報の盗難を物理的に防止できるというのだ。

加えてあずけ～るPROには、マイナンバー対策に活用できる3つの特徴があるという。

その1つが、IDとパスワードだけではなく、フレッツ光の回線認証も加えた複合認証が可能であること。2番目がマイナンバーのガイドラインで規定されている番号収集・利用時の履歴の保存を自動的に実施できる機能を持っていること。3番目が利用者のID毎にアクセス制限を行えることだ。

さらに、スキャナーからPCを介さずに直接スキャンデータをクラウドに保存できる環境も用意しており、これを活用することで、さらに安全で効率的な業務運用ができるという。PCの紛失時などに該当端末からのアクセスをロックする機能も用意されている。

NTT東日本のマイナンバー対策サービスのラインナップ

また、松田氏は安全管理措置の重要な要素として、不正アクセスやウイルス・スパイウェアへの対策も挙げた。NTT東日本ではこれに対応するソリューションとして、PCセキュリティサービスの「フレッツ・ウイルスクリア」、ネットワークセキュリティサービスの「Biz Box UTM」の2つを展開している。

フレッツ・ウイルスクリアは更新料不要で利用できるセキュリティソフトで、Windows 10対応に合わせて12桁のマイナンバーのやり取りをブロックできる機能をサポートしている。Biz Box UTMは、セキュリティアプライアンスを活用し、社内に情報管理の専門家がいなくても高度な不正アクセス対策を実現できるネットワークセキュリティサービスだ。

この他にもNTT東日本ではWebサイトの改竄の有無を毎日チェックする「Webセキュリティ診断」、モバイルデバイスの管理運用サービスの「スマートデバイスマネジメント」、ITサポートサービス「オフィスまるごとサポート」など、企業のICT環境をサポートする多彩なサービスを提供。これらをマイナンバー対策にあわせて提案している。

マイナンバー開始に向けた社内研修もサポートさらに、NTT東日本のマイナンバー対策ソリューションの大きな柱となっているのが、「よくわかる!マイナンバー制度と企業の対応」のタイトルで提供されているeラーニングサービスだ。これは（4）の社内研修・勉強会の実施の有力な手だてとなる。

松田氏は「マイナンバーの実施で必要となる情報漏えい対策の心構えや具体策を出張講習ではなく、時間や場所に因われず、手軽に受講できるeラーニングの形で提供するもの」と、このサービスを説明した。

NTT東日本のマイナンバー対策サービスの導入効果

NTT東日本が提供するこれらのサービスを活用することで、企業はマイナンバー対策にかけるリソース・コストを大きく削減でき、あわせて業務の効率化を図ることができるという。

特に対策に大きなコストをかけにくい中小企業にとって、同社のサービスは有力な選択肢になりそうだ。例えば、フレッツ光を利用中で従業員10名の事業所が「あずけ～るPRO 50GBプラン2」（2,400円/月）、「フレッツ・ウイルスクリア」（10台で1,450円/月）、「オフィスまるごとサポートプラン2」（1万1,000円/月）を利用した場合の費用は月額1万4,850円で済む。

松田氏は、「企業規模・ニーズに応じた多様なマイナンバー対策商材の提案を通じて、多くの企業の競争力強化に貢献していきたい」と意欲を見せた。