IDC Japanは2015年8月20日、国内ADC(アプリケーションデリバリーコントローラー)市場予測を発表した。
これによると、2014年の国内ADC市場は前年比6.2%増の259億6300万円。前年はマイナス成長に落ち込んでいたが、再びプラス成長に転じた。通信事業者のADC需要に一服感が見られる一方で、企業向け市場が堅調に成長を続けているという。
今後も国内ADC市場は緩やかながら成長を続ける見通しだ。IDC Japanでは、2015年は4.6%増の271億6900万円、2014~2019年の年間平均成長率(CAGR)は5.0%と予測している。その理由としては、ITシステムの基盤としてADCの地位が確立されていること、サービス提供事業者による継続的な投資、ADCの用途や適用範囲の拡大が挙げられるという。
国内ADC市場エンドユーザー売上額予測 |
ただ、ADCベンダーにとっては、必ずしも安泰の市場環境とは言えないようだ。クラウド化が進むなか、市場構造の変化も起こるからだ。
IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は、クラウド環境下のADCの最適解を提供し、市場のトランスフォーメーションに適応するために、「ADCベンダーは製品開発や事業戦略を今一度見直すべきである。また、多層的なADCアーキテクチャの提案も有効である。多層的なアーキテクチャは、クラウド時代に必要とされる柔軟性やスピード感に適応できるADCソリューションである」としている。