「電話」がネットとIoTを革新する!?――クラウド電話APIの可能性

数行のコードを書くだけでWebサイトやスマホアプリに電話機能を組み込める「クラウド電話API」を活用した新ビジネスが次々登場している。WebやIoTとの融合が容易になったことで、意外にも「電話」は、これからのイノベーションの鍵の1つとなるかもしれない。

Web系のサービス事業者が、クラウド電話API「Twilio(トゥイリオ)」を活用して、Webサイトやスマートフォンアプリ等に電話/SMS 機能を組み込み、Webと電話を連携させた新たなサービスを次々と立ち上げている。

例えば、会員向けの情報提供サイトや飲食店のサイトにAPIを実装するだけで、ボタンをクリックして通販の注文や予約の電話をかけたり、割引クーポン配信サイトのURLを表示したSMSを発信するといった機能を組み込むことができる。オンラインとオフラインをつなぐO2O施策の強力な武器となるのだ。

しかも、PBXを導入することなく低コストかつ短期間に電話を活用したシステムを構築できるため、リスクをかけずに新サービスを立ち上げられる。そのため、中小企業やスタートアップ企業からも注目が集まっている。

コード数行でWebと電話をつなぐTwilioを2013年から提供しているKDDIウェブコミュニケーションズのSMB事業本部Twilio事業部でゼネラルマネージャーを務める小出範幸氏は、クラウド電話APIのメリットについて、「従来は通信キャリアが決めた仕様と制約の中で使っていた電話を、自分達のアプリでコントロールできるようになる。しかも、APIを組み込むだけで簡単に実現できる」と話す。

KDDIウェブコミュニケーションズ 小出範幸氏
KDDIウェブコミュニケーションズ
SMB事業本部 Twilio事業部
ゼネラルマネージャー 小出範幸氏

単純な機能なら開発は数行のコードを書くだけでよい。また、1対1通話だけでなく、会議通話やIVR、通話録音など、さまざまな機能が利用できる。電話会議やコールセンターシステム、CTIの開発も可能だ。

Twilioは、米Twilio社が開発・運営するプラットフォームで、KDDIウェブコミュニケーションズが国内で電話回線と組み合わせて提供している。

海外では、同じような機能を持つクラウド電話APIが続々と登場している状況だ。国内ではTwilioに続いて、コールセンター向け通話録音システム等を手掛けるアクロスウェイが2013年の末から、米TROPO社のプラットフォームを用いてクラウド電話API「TROPO(トロポ)」を提供している。こちらは、フュージョン・コミュニケーションズの電話回線と組み合わせて販売している。

Twilio、TROPOともに利用する企業には電話番号が提供され、その基本使用料と受発信に応じた料金(従量課金)を支払う仕組みだ。Twilioは050番号と0120番号、080番号を、TROPOは050と0120番号が利用できる。TROPOは2015年夏に03番号も利用可能になる予定だ。

WebサイトやアプリへのAPIの実装は、Twilioの場合はTwiml(トゥイムル)と呼ぶ、XMLベースの独自マークアップ言語で行う。TROPOはスクリプティングAPI(PHP/JavaScript/Ruby/Python/Groovy)とWeb-APIが使用できる。

アクロスウェイ・第三事業部テレコムサービスグループの石川克明マネージャーは、「Web系エンジニアにとってハードルが低い。小規模な店舗がコストをかけずにCRM連携やO2Oを利用できるようになる。また、コールセンターシステムと連携して機能をアドオンすることにも使える」と話す。


アクロスウェイ 第三事業部
テレコムサービス グループマネージャー
石川克明氏

月刊テレコミュニケーション2015年5月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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