――2014年はMVNOの伸びが加速しました。
島上 総務省の発表数値では2013年末時点で669万契約であった独立系のMVNO(MNOによるMVNOを除く)の契約者数が2014年6月までに18%増え、792万に達しましたから、市場全体として順調に伸びています。
当社の場合も2014年度上半期で加入者が17%伸び、9月には44.9万契約になりました。伸びを牽引しているのが、当社では「IIJmio高速モバイル/D」のブランドで個人向けに出している、SIMカード型のサービスです。2014年度上半期に45%伸び、9月時点で24.5万になり、法人向けサービスを抜いて総回線数の55%に達しています。
――SIMカード型のサービスが伸びている理由は何でしょうか。
島上 一番の要因はコンシューマーに認知が進んでいることです。頻繁に格安スマホがニュースになっています。また流通業の影響力は大きく、量販店や小売店で取り扱われていることでも着実に認知度は上がっています。MVNOがコンシューマーの身近なものになっていることが一番の原動力ではないでしょうか。
――キャリア3社に対しても競争力を持てるようになってきましたか。
島上 競争力を持てるようになったとまでは言えませんが、MVNOのサービスを知っていただければ十分、比較の俎上にのぼると思います。
――MVNOにはSIMカード型以外にモジュール型と単純再販型があります。それぞれどのように動いていますか。
島上 M2M用途のモジュール型は少しずつ法人のお客様から相談を受けるようになっています。10月にIIJがMVNEとして支援すると発表したパナソニックの企業向けMVNOサービスがそれです。同様の話を他にもいただいているので、伸びている感触を持っています。
単純再販型は手掛けていないので正確には分かりませんが、ここが大きく伸びている印象は持っていません。