ノキアが描くフィジカルAI時代のAI-RAN戦略 「6Gを世界規模のセンシング基盤へ」

ノキアのプライベートイベント「Amplify Japan 2026」の基調講演に登壇した同社 フェロー兼シニアアドバイザーのハリー・ホルマー氏は、AIの本格普及によって通信トラフィックの「質」が変化していると指摘。その対策として、AIとRANを融合する「AI-RAN」が重要になると強調した。また、6G時代を見据え、通信とセンシングを融合する「ISAC」の研究開発にも取り組んでいることを紹介した。

ノキアは2026年8月26日、プライベートイベント「Amplify Japan 2026」を開催した。同イベントの基調講演に登壇した同社 RAN CTOチーム フェロー兼シニアアドバイザーのハリー・ホルマー氏は講演の冒頭、AIの普及に伴い、通信トラフィックは「量」だけでなく「質」も変化していると語った。

同氏が紹介したグローバルの調査結果によると、近い将来、AIワークロード全体の約3分の2を推論が占めるようになる。また、「ロボットのモーター制御や衝突回避には5ミリ秒(ms)以下、物体認識や検査、分析には10-15ms程度の低遅延が求められる」(同氏)。

加えて、グローバルにおけるAI関連のトークン量は2030年に約120京に到達し、そのうち約86%をAIエージェントが占めるとのこと。AIはダウンリンクとアップリンクの比率にも影響を及ぼし、モバイルトラフィックではアップリンクとダウンリンクの比率が1:12だったのに対し、生成AIアプリでは1:4になるという。

トラフィックの「質」の変化について説明したノキア RAN CTOチーム フェロー兼シニアアドバイザー ハリー・ホルマー氏

こうしたトラフィックの変化に対応するには、RAN(無線アクセスネットワーク)とAIを融合する「AI-RAN」がカギを握るとホルマー氏は強調。AIを用いて無線リソースを最適化するとともに、RAN側のコンピューティングリソースを活用することで、AI推論を低遅延で実行できると期待されている。

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