ブロケード コミュニケーションズ システムズは2014年10月7日、記者説明会を開催し、同社初のSDNコントローラー「Brocade Vyatta Controller」を発表した。米国では9月22日に発表されている。
Vyatta Controllerは、SDNのオープンソースプロジェクト「OpenDaylight」の最新リリース「Helium」をベースにしたSDNコントローラーだ。つまり、OpenDaylightのブロケード版商用ディストリビューションである。
Vyatta Controllerの主な特徴 |
米本社ソフトウェア・ネットワーク製品担当ディレクターのケヴィン・ウッズ氏によると、ブロケード側で行った拡張・修正はすべて、OpenDaylightプロジェクトにコントリビューションされるとのこと。また、Vyatta Controllerのソースコードも開示する。ウッズ氏は、「OpenDaylightベースのSDNコントローラの中で、最もオープンなソリューションだ」と強調した。
ブロケードでは、検証済みのマルチベンダー環境やサポートサービスなどと合わせて、11月から提供を開始する予定だ。
SDNコントローラー上で稼働するアプリケーションも提供
Vyatta Controller上で稼働するアプリケーションの提供にもブロケードは力を入れていく。第1弾として、Vyatta Controllerと同時リリースするのは、「パス・エクスプローラ・アプリケーション」。これは、GUI画面でのドラッグ&ドロップ操作により、フロー変更が行えるアプリケーションである。ブロケードのMLXe、VDX、ICXに加えて、OpenFlow 1.0/1.3対応の全スイッチに適用できるという。
パス・エクスプローラ・アプリケーションの概要 |
そして第2弾として、トラフィック管理用のアプリケーションも2015年初めに提供予定。さらに、セキュリティやポリシー制御などのアプリケーションを予定しているほか、ブロケード自身だけではなくサードパーティが開発したアプリケーションを提供していきたいという。
「ブロケードだけが“フェアプレー”ができる」
OpenDaylightベースの商用SDNコントローラーはすでに他社からも登場しているが、ウッズ氏はブロケードの差別化ポイントとして、「社内での競合がない」ことを挙げた。
「多くの他社の場合、OpenDaylightベースだけではなく、他にもSDNコントローラーを持っている。しかし我々は違う。ブロケードだけが“フェアプレー”をできるディストリビューターだ」
また、新興企業の商用ディストリビューションに対しては、ネットワーク分野におけるこれまでの経験を優位点としてアピール。
「我々は、OpenDaylightのディストリビューターとしてNo.1を目指している」と語った。