FTTHの「次の市場」を拓く NTT東日本が国内初の25Gbpsサービス

NTT東日本が国内初となる最大概ね25GbpsのFTTHサービス「フレッツ 光25G」の提供を開始した。月額2万7500円という攻めた料金設定で、FTTH最大手が「次の市場」の創造に挑む。

(右から)NTT 東日本 ビジネス開発本部 クラウド&ネットワークビジネス部 基盤ネットワークサービス担当 久惠怜子氏、担当部長 込山晴謙氏、担当課長 李殷在氏

(右から)NTT東日本 ビジネス開発本部 クラウド&ネットワークビジネス部 基盤ネットワークサービス担当 久惠怜子氏、担当部長 込山晴謙氏、担当課長 李殷在氏

「FTTHのリーディングカンパニーとして、最新技術を活かした新しい市場を作ることが我々の使命。10Gbpsでは足りないというよりも、今後の需要拡大を見据えた先行的な取り組みだ」——。NTT東日本 ビジネス開発本部 担当部長の込山晴謙氏はこう語る。

NTT東日本は2026年3月31日、上り/下り最大概ね25GbpsのFTTHサービス「フレッツ 光25G」を東京都中央区の一部で開始した。

FTTH市場では今、10Gbpsサービスの成長が続いている。MM総研が昨年6月に発表した調査結果によれば、10Gbpsサービスの契約数は2025年3月末時点で111.7万件。FTTH市場全体に占める比率は2.7%とまだ少ないが、2028年3月末時点では400万件超に達し、市場全体の約1割を占めると予測されている。

10Gbpsサービスはこのように成長期に突入しているが、振り返れば、NTT東日本が10Gbps対応の「フレッツ 光クロス」を提供開始したのは2020年のこと。国内初の10Gbpsサービスが登場した2015年から5年遅れでの参入だった。

「10Gbpsのときは先行するFTTH事業者があり、市場が立ち上がりつつある中での参入だった。しかし今回は自ら市場を切り拓いていく」と込山氏は力を込める。

専用設備を一から構築

国内初の25Gbpsサービスの詳細を見ていこう。まずネットワーク構成だが、コアネットワークは既存のNGN(フレッツ網)で、新たに25Gbpsに対応したPON装置を導入。NTTの局舎内で1芯を最大32 分岐する(図表)。つまり、25Gを最大32ユーザーで共用するが、サービス開始直後は利用者が限られるため、1ユーザーあたりの実効帯域は広い。

図表 「フレッツ 光25G」のネットワーク構成図表 「フレッツ 光25G」のネットワーク構成

アクセス区間についても、10Gbpsや1Gbpsとは異なる装置が必要なため、OLT(局側装置)をはじめとする設備を一新。「設備投資はそれなりの金額になる」と担当課長の李殷在氏は説明する。

また、宅内側には25G対応の新しいONU(回線終端装置)を提供する。従来はONUからルーターまでLANケーブルで接続していたが、「25Gbpsの伝送速度を維持するために光接続を採用した」と李氏は説明する。NTT東日本のサービス提供範囲はONUまでで、ルーターはユーザー側で用意する。

インターネット接続にはISPとの契約が別途必要だ。接続方式は現時点でIPoEのみで、朝日ネットが対応メニューを用意している。

PPPoEにも2027年10月を目途に対応予定だ。PPPoEに対応すれば利用可能なISPの選択肢が広がるが、「ISP事業者様に一緒にやっていただけるかどうかが重要になる」と込山氏は語る。

NTT東日本は今回、プロジェクトの立ち上げから約1年でサービス開始までこぎ着けたという。同社の場合、ネットワーク系サービスの開発に2~3年は要するのが通常。「リーディングカンパニーとして最も早く25GbpsのFTTHサービスを国内に実装したいという思いが強かった」と李氏は同社としては異例のスピード開発の背景を説明する。テスト工程と実装を同時並行で進めるなどの工夫を凝らした。込山氏も「開発・検証を担う技術部隊が今までにないくらい短い期間で装置選定や検証をやってくれた。挑戦的な取り組みだったが、なんとかサービス開始にたどり着けた」と振り返る。

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