“回線以外”をAIエージェントで伸ばす
——代表的なユースケースは。
ファン ポルトガルの通信事業者NOSは、AIエージェントの自社開発を進めていましたが、営業領域への展開で行き詰まりました。そこでAgentforceを導入した結果、8週間でエンドユーザー向けのAIエージェントを展開し、より少ないクリックで手続きを完了できるようになりました。顧客満足度の向上と、サービス提供コストの低減を両立させました。
ニュージーランドのOneNZでは、エンドユーザーがAIエージェントと対話しながら、本人認証、利用状況確認、最適プラン提案、注文実行まで進められる仕組みを構築しました。
Agentforceを活用し、5週間でプリペイド向けエージェントを構築し、プランのアップグレード率は従来チャネル比で4倍になりました。
B2B領域への適用例もあります。米ルーメン・テクノロジーズは、法人向けサービスの契約更新と注文検証をAIエージェントで自動化しました。人手による確認作業を大幅に削減し、毎週300時間分の生産性向上と、初年度560万ドルのコスト削減につながりました。
活用範囲は営業や契約業務にとどまりません。アルゼンチンのTelecom Argentinaでは、訪問先で作業するフィールド技術者の支援にAIエージェントを利用し、サポートセンターへの問い合わせを2~3割削減しました。
——日本の通信事業者が成長の壁を乗り越えるには何が必要ですか。
ファン 通信事業者の本質的な強みはデータです。コネクティビティを提供しているからこそ、豊富な顧客データを獲得できます。通信事業者は、そのデータをもとに広告やコンテンツ、金融など周辺領域へ価値を広げていけます。AIエージェントは、それを実務レベルで支える手段です。
日本の通信事業者も、すでに回線以外の領域へビジネスを広げています。今後は、AIエージェントを活用し、その拡張をさらに加速させていくべきでしょう。
[月刊テレコミュニケーション 2026年5月号の記事を再構成]












