<連載>大解剖! 工場ネットワーク最新動向工場DXの現在地 クラウド・AIが促進するOTとITのネットワーク融合

クラウドやAIの活用が製造現場に広がり、工場DXは新たな段階に入りつつある。人手不足をはじめとした課題をデータ活用により解決していくうえで、工場ネットワークには何が求められるのか。

人手不足の深刻化や市場変化を背景に、生産工程の自動化や、データ活用やデジタル技術を通じた工場DXが、製造業にとって喫緊の課題となっている。

一方で、生産現場の実態を見ると、データ活用の基盤はまだ十分に整っているとは言い難い。製造業の設備担当者など約1000人を対象に調査を実施したOKIの矢ヶ部仁之氏は、「設備の状態を人手で確認している現場が過半数に上り、データをまったく収集していないという回答も1割強あった」と現状を説明する(図表1)。

OKI コンポーネント プロダクツ事業部 事業企画部 新事業推進室 プロフェッショナル 矢ヶ部仁之氏

OKI コンポーネント プロダクツ事業部 事業企画部 新事業推進室 プロフェッショナル 矢ヶ部仁之氏

図表1 工場内におけるデータ収集の方法

図表1 工場内におけるデータ収集の方法

その要因の1つに、OT(Operational Technology)系ネットワークとIT系ネットワークがそれぞれ独立に整備されてきたことがある。OT系ネットワークは生産設備の制御(FA:Factory Automation)や監視に用いられる。24 時間365日の稼働が求められ、一度整備すれば10 年単位で長期利用されることが一般的だ。また、通信にはPROFINET、EtherNet/IP、EtherCAT、CC-Link IEなどの産業用プロトコルが用いられ、遅延や揺らぎを極力抑えることが重視される。これに対し、工場におけるIT系ネットワークは、設備の稼働情報や品質情報、エネルギー情報、映像データなどを収集し、上位システムで活用するための通信を担う。TCP/IPを基盤とした汎用的なIPベースのプロトコルが用いられ、一般的にOT系ほど厳格な可用性やリアルタイム性は求められず、更新周期も比較的短い。

このように、OT系とIT系のネットワークは相違点が多く、ほとんどの場合担当部署も異なる。つまり“そもそも別物”のネットワークである。

ネットワンシステムズ 東日本第3事業本部エンタープライズ 事業戦略部 プリセールスチーム エキスパート 黒田宜範氏

しかし近年、OT側の情報をIT側のシステムに渡して活用する機運が高まっている。ネットワンシステムズの黒田宜範氏によれば、2014 年ごろからOT側のデータをIoT技術を活用し収集・分析しようという動きが現れてきたという。さらにクラウド化やAIの普及によって、設備データを設備保全や品質改善、生産計画の最適化などに生かす余地は一段と大きくなった。いわゆるOT/ IT融合である。ただし、OKIの調査が示すように、この融合を支えるネットワーク環境の変化は後追いになっているのが実情だ。

続きのページは、会員の方のみ閲覧していただけます。

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

FEATURE特集

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。