参加資格と落札者の遵守条件
価額競争による周波数割当てでは、原則として入札額の多寡により周波数の割り当てを受ける者が決まるが、それだけではなく、電波の公平かつ能率的な利用のため、価額競争への参加資格や落札者(認定特定高周波数無線局開設者)が遵守しなければならない条件を定めている。
現行の特定基地局の開設指針においても、認定開設者が最低限満たすべき条件として絶対審査基準が設けられており、例えば、直近の4.9GHz帯の開設指針では、
・認定から6年後の年度末までに、全ての都道府県において特定基地局を開設する計画を有すること
・特定基地局の運用に必要な電気通信設備の安全・信頼性を確保するための対策に関する計画を有すること
・法令遵守、個人情報保護及び利用者利益保護のための対策及び当該対策を実施するための体制整備の計画を有すること
等が絶対審査基準となっている。
今回の26GHz帯における価額競争においても、参加者の資格の審査事項及び落札者(認定特定高周波数無線局開設者)が遵守しなければならない条件として、現行の特定基地局の開設計画制度における絶対審査基準を基本としつつ、多種多様な事業者の創意工夫による周波数の有効利用を促進する観点から、無線設備の安全・信頼性、サイバーセキュリティ対策に関する事項その他の電波の公平かつ能率的な利用のために必要最小限の事項を設けている。
参加資格の審査事項や落札者の遵守条件の主な事項は、次の通りである。
1つ目は、価額競争の公正の確保である。価額競争への参加の申請者が電波法等に基づく罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者でないこと、談合等の価額競争の公正を害すべき行為を防止するために必要な措置を講じていること等を要件としている。
2つ目は、無線局の運用に必要な能力の確保である。無線局の設備調達や設置工事、無線局の運用に必要な技術要員等の確保、電気通信設備の安全・信頼性その他無線局の適正かつ安定的な運用の確保、法令遵守や個人情報保護、利用者利益保護のための対策、他の無線局等への混信防止対策などを審査事項や条件として設定している。
3つ目は、無線局の開設に関する事項である。落札者(認定特定高周波数無線局開設者)は、認定日から起算して3年(全国枠)又は5年(地域枠)以内に26GHz帯を使用する無線局を開設すること、全国枠の落札者については全ての都道府県に26GHz帯を使用する無線局を展開すること等を落札者が遵守しなければならない条件として課している。
このほか、特定の者への周波数の集中の防止や地域枠について新規事業者や地域事業者の参入可能性を確実に確保する観点から、いわゆる全国キャリアが他の全国キャリアや落札者を買収すること等については一定の制限を課すこととしている。
競争阻害的な行動の抑止
価額競争の公正を確保するため、価額競争の実施に当たっては、談合等の競争阻害的な行動を抑止するためのルールの整備が重要である。
指針案においては、諸外国の動向や我が国におけるこれまでの周波数割当ての事例を踏まえ、主に次の3点を確保することとしている。
1点目は、参加申請者間で価額競争に関する情報交換や取り決めを行うこと、第三者に対して秘密の保持に関する契約によらずに情報を提供することの禁止である。また、それらを担保するための措置として、誓約書の提出を求めるとともに、総務省への通報義務、違反が発覚した場合の価額競争からの排除等の制裁措置を講じることとしている。
制裁措置として、具体的には、価額競争の参加資格の取消し、特定高周波数無線局の開設の認定の取消し、今後の特定基地局の開設計画の認定又は価額競争の参加資格の審査における考慮、保証金の不返還、電波法第109条の5の規定に基づく罰則の適用等が講じられることとなる。
2点目は、全国枠について一定以上の資本関係を有する等の関係事業者が共同して入札する行為の禁止である。また、それを担保するための措置として、価額競争の参加申請にあたり、資本関係、役員の兼任先、関係法人等の情報を提出することとしている。
3点目は、適正な情報開示である。個別の参加者の特定につながる情報(名称や入札先等)は価額競争が終了するまで非開示としつつ、各ラウンドにおける入札数等の入札情報については各ラウンドの終了後に参加者に対して開示するなど、談合等の競争阻害的な行動の防止と競り上げにおける適正な価額形成の両方のバランスを考慮した仕組みとしている。












