26GHz帯を割当て対象に、全国枠と地域枠をそれぞれ1枠ずつ設定
2025年5月に行った26GHz帯及び40GHz帯の5Gの利用意向の調査では、40GHz帯については早期の利用意向に関する回答が十分に得られなかった一方で、26GHz帯については一定の利用意向が示された。また、利用意向の調査の回答の中では、26GHz帯の利用方法について、「全国各地の様々なニーズに応じた柔軟な基地局展開」「地域のエリアを選択的に整備」の双方の利用ニーズが示された。
さらに、26GHz帯は、現在、5G以外の無線システムの無線局(既存無線局)が周波数を使用しており、総務省の周波数再編アクションプラン(令和7年度版)において、今後5年以内を目途に既存無線局を他の周波数へ移行させることとされているが、帯域によって既存無線局の利用状況に差異があることから、今回、5G向けに早期に周波数を割り当てていくため、既存無線局が存在しない帯域や既存無線局は存在するもののその無線局数が比較的少なく共用可能性が高い帯域から5Gに割り当てていくことを検討した。
図表1 26GHz 帯における周波数割当て

そのため、今回の指針案においては、26GHz帯を周波数割当ての対象とするとともに、全国を割当区域とする「全国枠」(25.8GHz~26.2GHzの400MHz幅)、市町村を割当区域とする「地域枠」(26.8GHz~27.0GHzの200MHz幅)をそれぞれ1枠ずつ設けている(図表1)。なお、地域枠の市町村のうち特別区については23区を1つの区域としている。
また、地域枠は、いわゆる全国キャリアが入札できない新規事業者・地域事業者向けの専用枠としており、新規事業者・地域事業者の参入を促進するための措置を講じている。
指針案による周波数割当ての期間(特定高周波数無線局の認定の有効期間)は、10年間としている。
価額競争の方式「同時時計オークション」とは
価額競争の方式は、諸外国でも様々な方式が採用されているが、今回、総務省では、(1)我が国で初めての価額競争であることも踏まえ、参加者にとってできるだけシンプルで分かりやすい方式とする、(2)周波数の適正な経済的価値が可能な限り反映されるような方式とする、ことの2点を基本的な考え方として位置づけるとともに、諸外国の動向や割り当てる周波数の性質等を踏まえ、「同時時計オークション」方式を採用した。
今回採用した「同時時計オークション」方式の特徴は、大きく3つある。
1つ目は、価額を段階的に引き上げながら適正な価額形成を促す「複数回の競り上げ」である。
価額競争の参加者は、自らが入札する周波数の経済的価値を必ずしも完全には把握できない。そのような場合には、価額競争の参加者が入札を繰り返すことによって相場感のようなものを徐々に形成しながら最適な入札を模索していけるような仕組みを取り入れることが好ましいとされている。今回の指針案でも同様の考え方を取り入れている。
したがって、初回のラウンド、2回目のラウンド、3回目のラウンド…のように、金額を段階的に引き上げながらラウンド(入札の受付)を必要な回数だけ繰り返すこととしている(図表2)。
なお、ラウンドごとの金額の引き上げ幅は、単位(全国枠や地域枠の各区域)ごとに設定している最低落札価額の20%の金額としている。
図表2 価額競争の実施方法のイメージ

2つ目は、競り人である総務省が提示する金額に対して、参加者は入札する・しないのみをシンプルに判断する「時計方式」である。諸外国の周波数オークションの入札方法は、参加者側が入札金額を提示する「指値方式」、競り人である当局側が金額を提示して、参加者がその金額に対して入札の有無の意思を示す「時計方式」の2種類に大別される。今回、総務省では、よりシンプルな方式として、時計方式を採用した。
3つ目は、全ての単位(全国枠、地域枠の各区域)を同時に競り上げていく「同時開始・同時終了」である。これは、競り上げ中における単位間の乗り換えを可能とすることを目的として導入する仕組みである。
具体的には、各単位を個別にそれぞれ競り上げることはせず、全ての単位の競り上げを同時に開始し、1つの単位でも競り上がり続けている限りにおいて全ての単位について入札可能な状態を維持し、全ての単位について競り上がらなくなった場合に初めて競り上げを終了する。したがって、例えば、当初は全国枠に入札していたものの、全国枠の金額が想定以上に高くなった場合には途中から地域枠に入札を切り替えるなど、様々な入札戦略を柔軟に採ることが可能となる。











