空孔ファイバーをすでに実装 遅延改善効果は30%
信頼性への投資では、AIワークロードを支えるインフラ基盤の強化について紹介された。AWSは現在、世界39リージョンでクラウドサービスを提供しており、今後はサウジアラビアとチリでの新リージョン開設を計画している。過去1年間で追加したデータセンター容量は3.8ギガワットに上り、世界最大規模だという。
日本においては東京・大阪の2リージョン体制によって国内で冗長構成が可能だ。各リージョンは、物理的に分離された複数(最低3つ)のアベイラビリティゾーン(AZ)で構成される。AZは独立した電源やネットワークを備え、AZ間は冗長化された回線で相互接続されている。
データセンター間は冗長化された光ファイバーケーブルで接続され、グローバルの総延長は900万キロを超える。このデータセンター間通信をより高速化するために、AWSでは中空構造を持つ「ホロコアファイバー」の実運用を始めている。

空孔構造を持つ「ホロコアファイバー」の構造
ホロコアファイバーは中心部に空孔(中空コア)を持つ光ファイバーで、光信号をガラスではなく空孔内を通して伝搬させる点が特徴。空気はガラスより屈折率が低いため、信号伝搬の遅延を抑えられる。常務執行役員 技術統括本部長の巨勢泰宏氏は「遅延速度を約30%改善できた」と説明。2024年のイベント「re:Invent」で開発を公表して以降、すでに数千キロメートルにわたってデータセンターネットワークへ実装しているという。
ホロコアファイバーの効果として大きく期待されているのが、AZ間の距離制約が緩和されることによる、AZの立地条件の柔軟性向上だ。AZを増設しやすくなれば、インフラ全体のレジリエンスがより強化されることになる。

ホロコアファイバーによりアベイラビリティゾーンの地理的制約が緩和
巨瀬氏によれば、光ファイバーがすべてホロコアファイバーに転換されるわけではないが、既存のガラス製光ファイバーをホロコアファイバーに置き換える作業は比較的容易であるといい、今後の展開が期待される。
ガバクラ導入を重点的に支援 職員向けトレーニングも実施
「人と社会への投資」の面では重点施策の1つに挙げられたのがガバメントクラウドの導入支援だ。
常務執行役員 パブリックセクター統括本部 統括本部長の宇佐見潮氏は、官庁、地方自治体、パートナー企業との連携を強化し、自治体職員への無償トレーニングや、ガバメントクラウドの運用ワークショップを継続して実施していく方針を示した。教育・医療機関との連携にも引き続き注力し、「地域創生、ひいては日本全体の活性化に役立てるようにしたい」と宇佐美氏は展望した。















