2026年1月26日、公衆無線LAN(Wi-Fi)の国際的なローミング基盤である「OpenRoaming」の動向を紹介するイベント「OpenRoaming Innovation Summit 2026」が開催された。
OpenRoamingとは、Wireless Broadband Alliance(WBA)が推進する基盤。利用者があらかじめ端末にプロファイルをダウンロードし設定を済ませておけば、対応する世界中の公衆Wi-Fiに自動で接続できることが特徴だ。偽基地局対策や通信の暗号化、利用者の認証管理といった、セキュリティを高める仕組みも備える(参考記事:OpenRoaming推進団体が会合 アイ・オー細野氏、東北大後藤氏が講演|BUSINESS NETWORK)。
イベントは、OpenRoaming準拠の国内向け認証基盤「Cityroam」を運営する無線認証連携協会が主催した。同協会 代表理事の山口潤氏が「現場で何が起きているかを持ち寄る場にしたい」と挨拶したとおり、OpenRoamingを活用する各者が最新の取り組みを紹介した。

無線認証連携協会 代表理事の山口潤氏
1100カ所にOpenRoamingを整備 さらなる普及のカギは“都と民間の連携”
東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部 つながる東京推進担当課長の小宮学氏は、都が推進する「つながる東京」実現のためにOpenRoamingが果たしている役割を紹介した。

東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部 つながる東京推進担当課長の小宮学氏
つながる東京は、都内全域で「いつでも・どこでも・誰でも・何があっても」通信環境を確保することを目指す政策だ。この一環として、OpenRoamingを活用した公衆Wi-Fi「TOKYO FREE Wi-Fi」の整備を進めている。
都では、災害時の通信の多重化を主目的に、TOKYO FREE Wi-Fiを避難所や人が多く集まる施設を中心に整備を進めており、2024年度末時点の整備箇所は859カ所を数える。2025年度は東京ビッグサイト、江戸東京博物館、東京都立大学など275カ所に整備を行ったほか、2025年12月からはNTT東日本との協定に基づき、電話ボックスにアクセスポイントの設置も開始した(参考記事:公衆電話ボックスにOpenRoaming対応Wi-Fi、東京都とNTT東が第1号の運用開始|BUSINESS NETWORK)。これらを含め、2025年度末時点では計約1100カ所への整備を見込む。

東京都がOpenRoaming対応Wi-Fiの整備を行った施設例
また、区市町村施設への整備支援も行っている。都は、図面作成などをサポートする伴走型技術支援と、財政支援を区市町村に提供している。既存の公衆Wi-FiをOpenRoaming対応に切り替える場合、費用の2分の1(上限200万円)を補助。新設の場合は、補助額の上限を300万円に引き上げる。この施策により、2024年度末までに17カ所のOpenRoaming対応公衆Wi-Fiが整備されたという。

東京都による区市町村施設へのOpenRoaming対応Wi-Fi整備支援事例
小宮氏は「公共施設への整備が進んだ一方で、街中の人が集まる施設は整備が進んでいない」と話し、より整備を進めるには「行政と民間の一層の連携が必要」とした。「通信事業者、民間企業、施設管理者の力を借りながらつながる東京を実現し、東京を世界で最も便利な都市にしたい」と意気込みを表した。










