
「ローカル5Gサミット 2025」には多くの参加者が訪れた
2025年12月16日、東京 御茶ノ水ソラシティで「ローカル5Gサミット 2025」が開催された。商用化から6年が経過し、免許数が増加するなど着実に普及が進むローカル5G。サミットでは実導入や具体的な活用方法に関心を持つ企業・自治体関係者が多く来場し、基調講演や各種セッション、展示ブースはいずれも盛況となり、ローカル5Gへの期待の高まりを示した。
総務省がローカル5G普及拡大への取り組みを解説
基調講演には、総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信企画官の佐藤輝彦氏が登壇。「ローカル5Gの更なる普及拡大に向けて」と題して講演を行った。

総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信企画官の佐藤輝彦氏
佐藤氏はまず、5G全体のインフラ整備状況について説明し、2024年度末時点で5Gの人口カバー率は98.4%に達し、政府目標を前倒しで達成したことを報告した。一方で、Sub6帯やミリ波といった5G専用周波数帯の展開がこれからの課題であり、「2030年に向けて、トラフィック量やユースケースに応じたメリハリや厚みのあるネットワーク整備を目指す」と述べた。
特に注目されたのが、ローカル5Gの制度整備の進展だ。佐藤氏は、海上・上空利用の制度化や免許手続きを簡素化する特定実験試験局制度の導入など、2025年に実施された一連の施策について紹介。「利用シーンの拡大により、ローカル5Gがより柔軟に活用できる環境が整ってきている」と強調した。
さらに、26GHz帯周波数オークションの実施や、地域BWA(広帯域移動無線アクセスシステム)の早期NR化を目指すなど、今後の政策方針についても言及。「ローカル5Gならではの特長を活かした利活用ケースの更なる創出と、地域BWAとの連携による通信インフラの高度化を進めていく」と述べ、普及拡大へ向けて意欲的に取り組む姿勢だ。
リコーが製造現場のローカル5G活用事例を紹介
リコーインダストリー プリンタ生産事業部 技術革新室 室長の齋藤大樹氏からは、製造現場におけるローカル5Gの実践的な取り組みが紹介された。

リコーインダストリー プリンタ生産事業部 生産技術センター 技術革新室 室長の齋藤大樹氏
リコーインダストリーでは、生産現場のデジタル化を推進する中で、2020年からローカル5Gの活用に取り組んできたという。齋藤氏は「ローカル5Gは手段であり、目的ではない」と強調。生産性や品質の向上、リードタイムの短縮、働きやすさの改善といった明確な目的のもと、業務改善活動の一環としてローカル5Gを位置づけていると説明した。
当初は技術的課題に直面したものの、「現場でより働きやすい環境、より先進的な取り組みをしていくためには5Gが必要」との判断から、NECネッツエスアイのオールインワン・コア一体型のローカル5Gシステム「HYPERNOVA」を導入するなど、段階的に改善を重ねた。現在は4K・360度カメラによるリモート工場見学や、IoTデバイスによる作業者の行動データ収集など、実用的な活用を実現している。
今後は地域全体を仮想の自社工場ととらえ、在宅ワーカーなど多様な働き手と工場をローカル5Gでつなぐ構想も紹介。ヒューマノイドロボットとの協働も視野に入れた、先進的な製造DXの実現を目指すという。
8ブースで最新ソリューション展示、オンデマンド配信中
展示会場では8ブースが出展し、幅広い製品・サービスが紹介された。来場者は熱心に説明を聞き、具体的な導入検討のための情報収集を行っていた。

展示会場は最新のローカル5Gソリューション情報を求める参加者で終日賑わった
ローカル5Gサミット 2025の一部の講演は現在、オンデマンド配信中だ。普及期を迎えたローカル5Gの今を知る絶好の機会となるだろう。













