「2014年にもモバイル通信は300Mbps時代へ」 NSN特別研究員に聞いたLTE-Advancedや5Gの今後

LTE-Advancedの時代を迎え、モバイルネットワークが大きく変化しようとしている。来日したノキア ソリューションズ&ネットワークス(NSN)の無線システムパフォーマンス特別研究員であるハリー・ホルマ氏に5Gに向けたモバイル技術の進化の方向性を聞いた。


――10月に開かれたNSN(ノキア ソリューションズ&ネットワークス)のイベント「eXperience Day 2013」で、日本の携帯電話ネットワークが2016年にもトラフィックの伸びに対応できなくなる可能性があるという予測を明らかにしました。

ホルマ NSNでは3年前、2020年までに世界のモバイルデータ通信のトラフィックは1000 倍になり、1人1日1GBのデータがやり取りされるようになるという予測を出しています。

日本ではモバイルデータトラフィックが年100%を超えるペースで伸び、すでに1ユーザーあたり1カ月に1GB近く、全体では150PB(ペタバイト=100万GB)のトラフィックが発生するようになっています。仮に今後も100%の伸びが続けば、2017年に1人1日1GBに達してしまいます。

他方、我々の試算では、日本で携帯電話に利用できる周波数のすべてにLTEを導入して効率的なネットワークを構築した場合、最大で3000PB、つまり現在の25倍までネットワークのキャパシティを拡大できるという結果が得られています。

それでも年100%の伸びが続けば2016年に、また仮に伸び率が50%になったとしても2020年には限界に達してしまいます。これに対応するには、携帯電話で利用できる周波数を拡張すると同時に、小セルを活用して周波数を効率的に利用できる新しいネットワークを構築する必要があります。3GPPで標準化されたLTE -Advancedの技術は、その有力な手だてになります。

月刊テレコミュニケーション2013年12月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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