UWBで子どもの置き去り検知 Qorvoが自動車向けSoCを発表

自動車内への子ども置き去りが各国で社会問題化しているが、その解決策として期待されるのがUWB(Ultra Wideband)を用いた車内検知だ。米国の半導体ベンダーのQorvoは、高精度な検知を可能にする自動車向けUWB SoCを発表。2026年の本格市場投入に向け、すでに量産体制に入っている。

米国の半導体ベンダー・Qorvo(コルボ)の日本法人は2025年9月4日、事業戦略を説明するメディア報告会を開催した。

Qorvoはナスダック上場企業で、過去12カ月の売上高は37億ドル、年間出荷デバイス数は約8億に達する。注力分野としてコネクティビティ、電動化、AI・データ利活用、モビリティを掲げ、自動車、スマートホーム、スマート工場向けの半導体ソリューションに強みを持つ。

広がるUWBユースケース Wi-Fiアクセスポイントにも搭載

同社が特に注力するのがUWB(Ultra Wideband)だ。自動車のデジタルキーに採用されるほか、iPhoneやサムスン、グーグルのスマートフォンに搭載され、タグ型デバイスとの連携による忘れ物検知が代表的なユースケースである。

Qorvo Japan カントリーマネージャーの大久保喜司氏

Qorvo Japan カントリーマネージャーの大久保喜司氏

日本法人カントリーマネージャーの大久保喜司氏は、UWBがスマートフォンに搭載されたことで「ハンズフリーアクセスのエコシステムが拡大した」と語った。従来Bluetooth Low Energy(BLE)が使われてきたデジタルキーがUWBに置き換わりつつあり、数センチ単位の測距性能によりリレーアタック盗難を防げると説明した。また、スマートロック規格「Aliro」がUWBに対応し、スマートホームにおける非接触開錠ニーズにも応えられるという。

法人向けWi-FiアクセスポイントへのUWB搭載も進んでいる。シスコシステムズやジュニパーネットワークスの法人向けWi-Fi 7対応アクセスポイントに採用され、設置場所の決定や、屋内位置トラッキング、資産管理への活用が期待されている。

拡大するUWBのユースケース

拡大するUWBのユースケース

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