NECは2010年6月23日、ホテルの宿泊予約システムや顧客管理システム、さらには電話システムなどを、機器設備を導入することなくネットワーク経由で利用できる「ホテル総合クラウドサービス」の販売を開始した。基幹業務システムを機器設置型からクラウド型に置き換えることでTCOの削減を実現。加えて、インターネット上での客室販売やプロモーション、ホテル内での顧客サービスの向上などを目的としたソリューションの導入も、短期間かつ低コストで導入可能にする。
流通・サービス業サービスソリューション事業部の石井力事業部長 | ホテル総合クラウドサービスのサービス体系(クリックして拡大) |
なお、機能その他は現在も開発が進められており、サービスの提供開始は2011年1月からとなる。
●基幹業務システムと電話、デジタルサイネージが連携
ホテル総合クラウドサービスの内容は、次のようなものだ。
大きく、「ホテル基幹業務サービス」「音声(PBX)サービス」「デジタルサイネージサービス」の3つに分け、さらに各々のサービスについても機能をメニュー化し、ユーザーであるホテル側は必要な機能を選んで利用することができる。例えば基幹業務サービスであれば、ホテルの基本業務を支える「宿泊」、宴会やレストランなど全館の顧客情報を一元管理する「顧客」、宿掛け・宴会掛けなどを自動化する「宴会」といった各種のメニューから必要なものだけを選べる。
また、基幹業務サービスと音声サービス、デジタルサイネージが連携することで、宿泊客向けに付加価値の高いサービスが提供できるようになる。流通・サービス業サービスソリューション事業部の石井力事業部長は、「これが我々の大きな強み。この連携によって他社との差別化を図っていく」と話す。例えば、客室内に大型タッチパネル液晶付き電話機を設置し、情報端末として利用できる。基幹業務サービスと電話機を連携させて、宿泊客の年齢・性別などに合わせたレストラン情報や周辺環境情報を液晶画面に表示したり、あるいはタッチパネルの簡単な操作でモーニングコールを設定したりといった運用を例に挙げた。
タッチパネル液晶付き電話機の活用例 |