「ミリ波のエリアカバレッジは非常に離散的で、基地局を設置しても利用できるエリアはごく限られてしまう。これを何とか拡大したい」
KDDI アドバンスド技術推進部 部長の井上義隆氏は、同社が京セラと共同開発した新タイプの5Gリピーターの狙いをこう説明する。
(右から)KDDI ネットワーク開発本部 アドバンスド技術推進部 部長 井上義隆氏、アドバンスド技術推進部 RAN 先進技術開発G グループリーダー 柴山昌也氏
国内の携帯電話事業者各社には現在、ミリ波(28GHz帯)が400MHz幅ずつ割り当てられており、3Gbpsを超える超高速・大容量の5G通信を実現可能だ。さらに2026年までに26/40GHz帯も新規に割り当てられる予定となっている。今後ますます増加するトラフィックに対処するうえでミリ波の活用は不可欠である。
他方、ミリ波には電波が物陰にほとんど回り込まず、エリアカバレッジが狭いという弱点がある。そのためエリア整備に多額の投資が必要で、これがミリ波の利用が進まない大きな要因の1つとなってきた。
KDDIは、新開発の5Gリピーターで、この弱点克服を目指す。