チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ製品などを中心にセキュリティソリューションを提供しているアズジェントは2013年3月28日、セキュリティサービス事業を本格的に開始すると発表した。新サービスブランド「セキュリティ・プラス」を立ち上げ、その第1弾として「セキュリティ・プラス マネージドセキュリティサービス」の提供を同日から始めた。
「当社は16年、セキュリティ専業でやってきたが、この16年間で培ったノウハウを集約し、新たなサービスブランドを作った。セキュリティは今までの“製品主体”から、“運用”にフォーカスを当てていく時代に来たと考えている」と、代表取締役社長の杉本隆洋氏は語った。
セキュリティ・プラスのブランドロゴと、今後の提供予定も含むサービスラインナップ |
提供価格は「市場価格の30~50%以下」
アズジェントは今後、セキュリティ・プラスのブランドの下、標的型攻撃対策サービスやペネトレーションテスト(侵入テスト)などの各種サービスを提供していく予定だが、中核となるのは第1弾のマネージドセキュリティサービス(以下、MSS)である。
MSSの概要 |
アズジェントでは以前からMSSを提供しているが、従来はチェック・ポイント製品の運用・監視が中心。新サービスは、マルチベンダー対応であることが大きな特徴だ。具体的には、以下のUTM/IPS機器に対応しており、これ以外の機器についても要望に応じて対応可能だという。
対応するUTM/IPS |
低価格も、MSSの重要なセールスポイントとしてアピールされた。参考価格はUTMのマネージドサービスが月額7万4000円~、IPSが月額24万円~。「市場価格の30~50%以下だ。高額なイメージのあった運用監視サービスだが、低価格で提供することで潜在顧客を開拓していきたい」と取締役 営業本部 本部長の南部勉氏は説明した。
アズジェントの推計によると、MSSの国内市場規模は70億円ほどで、現在のユーザーは超大手企業にほぼ限られているという。「その下の大企業、中堅企業などのマーケットのポテンシャルはその倍、150億円くらいあると考えているが、そこには価格のバリアがある。思い切って価格を下げることで、需要を喚起していく必要がある」と杉本氏は戦略的な価格設定に踏み切った理由を述べた。
記者発表会では、バックアップ用のセキュリティオペレーションセンター(SOC)も公開された |
会見には、アズジェントのMSSを採用したビットアイルでクラウドビジネス部 クラウド基盤開発部 部長を務める福澤克敏氏も登場。ビットアイルは、仮想プライベートクラウドサービス「サーバオンデマンド NEXT」のオプションとして、4月1日から仮想UTMの提供を開始する予定だが、その構築・設定・監視・障害対応にアズジェントのMSSを活用するという。
アズジェントではMSSについて、初年度1億円、3年後に10億円の販売目標を掲げている。