ANAホールディングス発のスタートアップであるavatarinは2025年5月20日、ローカル5Gとアバターロボットを活用した遠隔区民サービスの実証実験の結果を公開した。
同実証では、ローカル5Gと分散アンテナシステム(DAS)をアバターロボット「newme」に接続し、大田区役所本庁舎における窓口サービスの向上や遠隔での行政サービス案内、多言語対応などの有効性を検証。avatarinのほか、NECネッツエスアイ、キャンパスクリエイト、電気通信大学先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター藤井研究室、東芝インフラシステムズが参画し、2024年9月から12月までの期間で実施した。
遠隔での行政サービス案内については、延べ2601件の案内を行い、1日あたり約50件の対応が実施できたという。多言語対応の件数は110件で、確実に需要があることも明らかになったそうだ。なお、同実証に関心を持つ区役所職員の7割が「現担当職務において活用の可能性がある」とコメントしている。
また、ローカル5GおよびDAS環境下でのnewmeの稼働において、案内成功率93.3%と良好な結果を示した。案内が失敗したケースでも、通信に起因するものはほとんどなかったという。さらに、newmeの受容性について来庁者へアンケートを実施したところ、満足度が7点満点中5.8点、信頼度も5.75点となり、アバターロボットによる接客・案内が来庁者に十分受け入れられたとavatarinでは見ている。