雷エネルギーの蓄積・活用に向けても研究開発
今回の実証では、スイッチを用いてドローン周囲の電界強度を変化させ、その強度をフィールドミル(大気電界を測定する計測器)で計測。電界強度が上昇したタイミングでワイヤーを搭載したドローンを高度300mまで飛行させた。
実証実験のイメージ図
結果、「ワイヤーに大電流が流れ、雷誘発の直前にはワイヤーと地面の間に2000V以上の電圧が生じていた」(長尾氏)ことから、スイッチ動作によってドローン周囲の電界強度を変化させることで、誘雷が行えることを確認したという。
スイッチ動作によってドローン周囲の電界強度を変化させることで誘雷に成功
また、耐雷ゲージの破裂音や一部溶断、ウインチ部(ワイヤーを巻き取る装置)の発光等を確認したというが、誘雷後もドローンは安定して飛行を継続できたとのことだ。
耐雷ゲージの破裂音や一部溶断、ウインチ部(ワイヤーを巻き取る装置)の発光
今後は、ドローン誘雷の成功率を上げるため、高精度な発雷位置の予測や雷の発生メカニズムに関する研究開発を進めていくという。将来的には、雷充電装置による雷エネルギーの蓄積・活用を目指し、雷エネルギーの蓄積手法の研究にも取り組んでいくとした。