ネットワンシステムズは2025年3月24日、ネットワーク運用保守サポートサービス業務において、生成AIボット「XOBOT(エックス・オー・ボット)」の運用を3月より開始したと発表した。
「XOBOT」のAI基盤モデル
XOBOTは、2024年に同社が開発した独自の大規模言語モデル(LLM)「NELMO(ネルモ)」(参考記事)の機能を拡張したもの。ネットワーク障害のインシデント対応や製品保守、テクニカルサポートなど、顧客からの問い合わせ対応を支援するAIボットとして活用される。導入により、同社のエキスパートオペレーションセンター(XOC)におけるネットワークサポート業務の品質向上と効率化を図り、顧客満足度の向上を目指すとしている。
今回発表されたXOBOTの主な機能は3つある。まず「正確な回答」機能では、確認したいメーカー名や機種名を指定して想定される質問を入力すると、同社が過去18年間に蓄積してきたインシデント対応実績をもとに、AIが適切な回答を生成する。さらに、アラートログから障害の判定を行い、解決策の選択肢を提示する仕組みも持つ。
「データ学習」機能では、週次でクローズ済みのインシデントデータを読み込み、AIの継続学習に活用する。非構造化データは、同社独自の手法により顧客対応に適した表現や文言に統一して構造化され、検索精度の向上が図られる。
そして「AI基盤モデル」機能では、運用現場で収集された構造データおよび非構造データをもとにAIが分析を行い、繰り返し発生するインシデントや対応パターンを例示するモデルの構築が可能という。
XOBOTのワークフロー例
同社は、XOBOTの導入によって類似インシデントの平均解決時間を約15%短縮できると見込んでいる。また、対応の属人化を防ぎ、業務の効率化と学習に要する時間の削減(約15%)にもつながるとしている。これらの効果により、障害復旧までの時間を短縮し、顧客のビジネスへの影響を最小限にとどめることが可能になるという。